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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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∞・ワークス

「そろそろ遊びは終わりにして、本気でいくかぁ」


 桐澤は舌を伸ばし、自身の聖剣の刃を舐めた。


「スキル――ホーリーナイト」


 まばゆい光に包まれ、桐澤は仰々しい、白い鎧を身にまとう。

 それはさながら光の勇者のようだが、野獣のような桐澤には絶望的に似合わない。

 勇者ポジションというよりは、魔王ポジションの方がよく似合うだろう。


「冗談みたいな恰好だな」


「これがオレのスキルなんだ。あらゆる攻撃にビクともしねぇ耐久力がある。試しに、なんかヤってみるか」


「じゃあ遠慮なく。色々スキルを会得したからな」


 青宮は魔力を込め、新しく習得した水魔法を放つ。


「――ハイドロ・ウェーブ!」


 巻き起こるのは、大きく太い水の柱3本。

 ウェーブ・ストライクを上回る水量に加えて、ウォーターカッターのように凝縮され、鋭い水の刃となっている。

 巻き込まれた鋭くなった水圧でもって両断されるだろう。

 水の柱は滝のごとく、桐澤の体を呑み込んだ。

 大量の水が叩きつけられる音。

 耳を塞ぎたくなるほどの爆音だ。

 しかし――水の中から現れたのは、真っ白な球体。

 光が弾けると、ガードによって無傷の桐澤は現れた。


「いいねぇ。だが、ちと残念だなぁ。アメリカになら、このぐらいのヤツはいる。お前はもっとヤれるだろ? あんま失望させんな」


 桐澤が弾丸のようなスピードで飛び出し、一瞬で間合いを詰めてくる。

 そのまま光の剣を、青宮へ向けて一閃。

 斧で受け止めるも、すぐに次がやってくる。

 光の剣は∞ウェポンが放つダークブルーの炎さえも弾き、圧倒的な魔力によって、青宮を押し込んでいく。

 一撃一撃が重く、そしてまともにあたったらタダでは済まないことを、予期させた。


(なんて速さだよ……!)


 協会で下調べしていたので、わかってはいた。

 絶望。規格外。別ゲー。

 桐澤はこれまで戦ってきた相手とは、比べ物にならないほどのインフレキャラだ。

 彼女の存在は、バグと言ってもいい。


 桐澤 揚羽

 LV 103

 HP 8400

 MP 2163

 攻撃 2430

 防御 2440

 魔力 2180

 精神 2300

 俊敏 2190


 スキル 勇者の証 EX

 常設バフ。全ステータスを30%上昇。

 スキル・ダンジョンによる干渉を無視し、世界を正しく認識することが可能。


 もうこの時点でほとんどの探索者が並ぶことはない。

 世界でも一握りだろう。

 しかし彼女はここにとどまらない。

 ここへ今発動したホーリーナイトが加わることにより、そのステータスは規格外のものとなる。


 スキル ホーリーナイト EX

 全ステータス50%上昇。あらゆる攻撃を防ぐ光の鎧を装備。


 桐澤 揚羽(バフ後)

 LV 103

 HP 8400→15120

 MP 2163→3891

 攻撃 2430→4374

 防御 2440→4392

 魔力 2190→3942

 精神 2300→4140

 俊敏 2200→3960


 闇獣モードの荒木 貞雄ですらステータス1400前後。

 その3倍ものステータスだ。

 彼女が探索者として、世界最強と言われ、そして恐れられるのも納得の数値である。


「おら、おらぁ! お前はそんなモンじゃねぇだろ? わかってんだよ! すげーモン見せて見ろよぉ!」


「っ、うっせぇな、いちいち!」


 桐澤の大きな一振りにより、青宮がふっ飛ばされる。


「がはっ……!」


 壁にうちつけられ、青宮は意識を揺らしながら、膝をついた。

 桐澤はにやりと笑う。


「ほら、お前の相棒もウズウズしてるぜ? オレを見て、そいつも興奮してんだよ」


 たしかに、先ほどから∞ウェポンの宝石部分がピカピカと光っている。

 力を使えと、促しているかのように。


 青宮 翼 男 21歳

 LV38→60

 HP 2900→4704

 MP 955→1549

 攻撃 877→1449

 防御 627→1045

 魔力 875→1447

 精神 641→1059

 俊敏 591→987



 ∞ウェポン

 HP+710→1680

 MP+220→490

 攻撃+230→500

 防御+220→490

 魔力+230→500

 精神力+220→490

 俊敏+220→490


 青宮 翼 合計値

 HP 10214

 MP 3262

 攻撃 4678

 防御 2456

 魔力 3115

 精神 2478

 俊敏 3545


 色んな戦いを乗り越えてきた。

 そうして、ここまでの力に辿り着いた。

 正直、日本国内ならもう圧倒的だ。

 それでも――目の前のバケモノには、まだ届かない。

 だから、青宮は左手を伸ばす。

 ずっと封印されていた力――???から生まれた、∞・ワークスを使う。


「……ああ。まあたしかに、それだけは認めるよ。世界一のお前を超えられたらって思うだけで、興奮する」


 青宮は立ち上がった。


「ナンバーワン。俺の社畜人生――∞ワークスを、見せてやるよ」

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