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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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ダンジョンの真理

「ここまでたどり着いた冒険者には、ダンジョンの真理を伝えています」


 悠然と語る四之宮。

 よく見ると、その体にはノイズが走り、質感が感じられなかった。

 ホログラムのような、立体映像なのかもしれない。


「……ダンジョンの真理?」


「はい。私も彼女と同じ、ダンジョンマスターと名乗る“存在”です」


 四之宮ふふふ、と微笑む。


「お前もあの女の子も、人間じゃないのか」


「はい。ダンジョンそのもの、ダンジョンを司る存在です。私達ダンジョンは、数多もの世界へ根付き、人と共に歩んできました。この世界も、私達も、その無数の存在の1つです。あなた達と同じ、生命体なんですよ」


 地球外生命体のようなもの、ということを言いたいのだろうか。

 四之宮は饒舌に語る。


「ダンジョンと人類はどの世界でも、共に歩んできました。私達の存在は人類を発展させ、活発にし、豊かにし、そして時に破滅をもたらしました」


「破滅……お前達も、RPGみたいに人類滅亡とかが目的なのか?」


「魔王と呼ばれる存在に似通ってはいますが、少し違いますね。私達は1つだけ、生命体として特殊な本能をもっています。それは強力な闘争本能です」


「闘争本能?」


「強者を求め、そして強者によって討伐される。それがダンジョンの役割であり、ダンジョンの本能です」


「……」


 ずいぶんと無茶苦茶な性質を兼ね備えた存在である。

 だが、四之宮もそのダンジョンマスターとしての本能に乗っとるならば、行動としては納得いくものがあった。


「会長になったのも、業界を盛んにさせたのも、全ては強者を育成するためか」


「ふふふ、そうですね。それと私の趣味ということもありますが。人が好きなので。特に美女の形をとり、媚びると男性の人間は骨抜きにされるので、とても面白いです」


「そうか……もしかして、ダンジョンブレイクの時も、関係していたりするのか?」


「ええ。あれを起こしたのは、私の力です。ダンジョンマスター、それも上位となるとあのくらいは起こせますよ」


「だけど、アンタが返り咲くことはもう出来なそうだな」


「そうですね。とても残念です。ですがもう、機は熟したと思っています。現にあなたが、ここまでたどり着いたので」


 四之宮はたおやかな笑みを浮かべた。


「それでは、あなたに真理を告げたところで、一旦お別れです。名残惜しいですが……お客様が来るようなので、仕方ありませんね」


「お客様?」


「また会いましょう、青宮 翼」


 四之宮の体が消えていった。

 やはり本体ではなかったようである。

 そして――フロアの中央に、ワープポイントが生まれた。

 その光から現れたのは、大剣を持った桐澤 揚羽である。


「――よう、青宮 翼ぁ」


「お前……!」


 桐澤はにやり、と獰猛な笑みを浮かべる。


「2人きりだしよぉ。存分にヤりあおうぜ、なぁ?」

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