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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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樹の悶絶

『――青宮 翼のLVが48へ上がりました。HP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』


『――ミッションを達成しました。レベルアップボーナスが付与されます』


『――青宮 翼のLVが49へ上がりました。HP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』


「2回目でもきっついな……」


 今までの階層と違って、1戦1戦がハードのため、体力をごっそり削られる。

 その代わりにミッションによるボーナスがかなり旨いが、今まで戦ってきた中で一番キツい内容である。

 さらに前踏破者の報告書によると、このミッション達成後に探索することで、ボスフロアへいけるのだという。


「ここからさらにやるのはキツイな……」


 またこれも報告書によると、ミッションが簡単になるパターンもあるのだという。

 簡単になった時が、ボスへ挑むチャンスといえるだろう。


「今日はもう出よう……」


 青宮はヘトヘトの体で、ダンジョンを出た。





 マンションの自室へと戻ると、姫咲 桜が夕食を作ってくれていた。


「桜、ありがとうな」


「いいんですよ~」


 すっかり同棲状態のようになっている2人であった。

 献立は肉じゃが、白米、味噌汁、ほうれん草のおひたしと王道にして至高なるもの。

 というか、なんだか新婚のようである。


(うまっ……)


 じゃがいもがホクホクとしていて、甘辛いだしが染み渡っている。柔らかいニンジンに、ジューシーな肉と、白米が進んでいく。

 醤油でさっぱり美味しく食べられるほうれん草のおひたしも、アクセントとなって最高だ。

 空腹が幸福に満たされていき、疲れた体にエネルギーが染み渡った。


(樹は元気だろうか……)


 つい、そんなことを考えた。

 そして罪悪感なんてものも、湧いてきて。


「樹さんのこと、考えてますか?」


 姫咲に問われて、青宮はびくりとした。


「そ、そんなことは」


「ふふふ、いいんですよ~、樹さんなら」


 姫咲は穏やかな笑顔であった。

 青宮は冷や汗をかく。





 夜。樹の携帯に、またも姫咲からメッセージが来ていた。


 ――今、青宮さんの部屋にいます。


「ぬおっ!?」


 ベッドから転がり落ちる。

 頭を打ちながら、メッセージを改めて確認した。


「ほ、本当に……? もしかして、え、エッチなこととかも……いいな……」


 青宮を獲る宣言など、姫咲が急に大胆になっている。

 しかし昨日と比べると、樹は少しだけ冷静になっていた。


(姫咲さんも、焦っているのかな……)


 青宮の隣に立てないこと。

 支えるには、遠すぎる存在であること。

 力になれないこと。

 彼女も同じことを感じているのかもしれない。


「な、ナニしているのかな……ずるい……抜け駆け……」


 とはいえ、それはそれとして怒りに燃えているようであった。

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