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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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第八層、2日目

 朝。姫咲が作った朝食をとった後、2人で部屋を出た。


「もう復帰するんですね」


「ああ。もう元気になったし、大丈夫だ」


「無理はしちゃダメですよ、翼さん」


「わかっている」


「そう言いながら、無理をするのが翼さんですけど」


 そう言って、姫咲は少し背伸びをして、青宮の頬にキスした。

 外で触れ合うということに、新たな緊張を感じる。


「ふふふ……甘えちゃいました。戸惑っている顔も可愛い」


「あんまりからかわないでくれ……」


 そう言いながらも、青宮は右手で姫咲の髪を軽く撫でる。

 2人はマンションの階段を降りていった。





 第八層へと入ると、同じ内容のミッションが課せられた。

 しかし出現するモンスターが異なり、真っ黒な首無しの鎧が、ガチャガチャと音を立てながらこちらへ向かってくる。

 全長は3メートルほど。身の丈と同じくらいの大剣を持っていて、背中から赤いマントをヒラヒラとさせている。


「威圧感あるな……」


 鎧がこちらへ近づき、大剣を振り下ろす。

 青宮はそれを回避しつつ、斧でカウンターした。

 しかし――ガキンっ! と、硬い鎧によって弾かれる。

 ∞ウェポンの火力をもってしても、ダメージを無効化されていた。

 高い防御力。あらゆる物理攻撃が通用しない守りのようだ。


「なに……!?」


 これまで攻撃力には自信があったが故に、こんな経験はほとんどない。

 こういうのを∞ウェポンによって底上げしたステータスで、力づくで突破してきたばかりだ。

 しかしここにきて、それが阻まれる。

 驚く青宮めがけて、大剣を一閃され、斧で受け止めた。

 青宮は後ろへ弾き飛ばされ、ベルセルクの炎でなんとか受け身をとる。


「長期戦になるから、あんまり使いたくないが……仕方ない」


 出し惜しみをしている場合じゃない。

 ∞ウェポンへ魔力を送る。

 鎧へ近づきながらダークブルーの炎をまとい、斧を振り上げた。

 鎧も大剣を振り下ろし、武器と武器がぶつかり合う。

 ゴオオオオ! という高い音と共に、大剣が粉々に砕けた。

 動揺する鎧の懐へ潜り込み、もう一度スキルを叩きこむ。


「――カオス・クレイブ!」


 ズドンオオオオン!!! と、鎧の胸に大きな切れ込みが入り、飛び散った鎧の破片床に落ちる。

 金属音を鳴らしながら、鎧は倒れ、魔石へ変わっていく。

 終わったと思った瞬間――どこから現れたのか、新たな鎧が間髪入れずに大剣を青宮めがけて振り下ろしてくる。

 青宮はそれを横っ飛びして回避した後、斧を構えた。


「休憩時間もなしか。お前らも大変だな」


 青宮は好戦的な笑みを浮かべ、前へと飛んだ。

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