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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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早く帰れるよ(大嘘)

 第七層で獅子山と共に荒木は訓練をしていた。

 だが、荒木はひどくバテた様子である。

 木に背を預けて、肩で息をしながら座っている。

 そもそも荒木のレベルで第七層は無謀だ。

 それを獅子山という絶対的にバックアップがある状態とはいえ、危険である上過酷なのは変わりない。

 しかし短期間で強くなるというのは、正攻法では無理な話だ。


「今のお前さんは、なにが目的なんだろうな。やはり、まだ四之宮を許せないか」


 獅子山が問いかける。

 荒木の家族はいわば四之宮に陶酔して、家庭崩壊となった。

 兄が死亡した今、荒木の怒りの矛先は今だ四之宮へ向いている。


「……そうですね。まだ活動しているというのなら、力をつけたいです」


「ダンジョンブレイクも、裏に四之宮がいるとしか思えないような出来事があったしな。まあ、そんなことはありえないはずなんだが……」


 獅子山はため息をつく。

 ナンバーワンが辿り着いた答えとはなんなのか。

 あの少女は何者なのか。


(ステータス・スキル劣化が進行している俺じゃ、もうこれ以上深くダンジョンに潜るのは無茶なんだよな……。正直、第八層はケタ違いだ。まあ、青宮辺りと組むという手もあるが……)


 しかし獅子山は自分の判断で、若手を育てるという方向へ舵を切った。

 最前線に立つのは、落ちぶれていく自分ではないと考えたのだ。


「さて。もう休憩は終わりだ。いくぞ」


「厳しいですね……」


 荒木は愚痴りながらも、獅子山へついていった。


「なんだ? ギブアップか」


「いえ……」


「ははは、そうこなくっちゃな。俺が若い頃は、もっとガンガンいっていたぞ。さあ、頑張れ頑張れ」


(俺が若い頃はって、よく言う人だよな……相変わらず……)


 獅子山伝説は結構あるらしい。





『――クリア条件:ダンジョン内で9時間30分生き残る』


「9時間半か……分で刻むな。個人的には早く感じる労働時間ではあるが」


 第八層の過酷さだと、9時間30分でもかなりヘビーになる。

 姫咲からは無茶はしないようにと心配されているが、残念ながらダンジョンがそうさせてはくれない。


「さて。でも、珍しく入場早々に襲われないな」


 内装は変わらないが、ダンジョンの内容は入るたびに変わっている。

 他に挑戦者もいないから、冒険者とすれ違うこともない。

 そもそもミッションなどというものを課する都合上、同じ空間にいるかどうかも怪しいところだ。

 救援なども絶対に見込めないだろう。


「よし。さくっと終わらせて、強くなって、桜の作るメシでも食べるか」


 青宮は∞ウェポンを持ち、気合十分にダンジョンを進んだ。

 過去の女性関連のトラウマは、姫咲によってかなり癒されていた。

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