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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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青宮さんをとっちゃいますからね

 夜。徹底的に己を追い込んだ樹は、ベッドへダイブした。


「ふぁ~~~……なんとか生き残った」


 全身が痛むのを感じつつ、携帯を手に取る。

 青宮からはまたメッセージを送られていて、ドキっとした。


(……心配してくれてるんだよね)


 申し訳ないのと同時に、気にかけてもらえているという喜びの気持ちが、混在した。

 なので、ちょっと上機嫌そうに返信をする。

 ただ気になったのは、姫咲からも新たにメッセージを送られていたこと。

 なんだろうと確認すると――驚くべき内容であった。


 ――青宮さんのこと、樹さんがいない間にとっちゃいますからね。


「っ!?!?!?」


 樹は思わず、がばりと起き上がった。


「ななななな、なんですとぉ!?」


 素っ頓狂な高音が出た。





 朝礼を終えた後、スマイル・アドベンチャーの事務所でメールを確認していた。

 獅子山が色々動いているので、今後のことや変更事例が大量に送られており、いちいちそれにサインしなくてはならない。


「めんどくさ……」


 青宮はぼやきつつ、終わった頃には11時となる。

 眠くなって、欠伸をした。


「なんか、疲れたな」


 珍しくそんなことを呟きつつ、青宮はソファの上で横になった。

 ふと、携帯の画面で樹とのメッセージ画面を見る。


「樹は大丈夫だろうか……」


 何日も顔を合わせないのは、はじめてのことだ。

 青宮は携帯を机の上に置いた後、眠りに落ちた。





「うぅ……?」


「ふふふ。おはようございます、青宮さん」


「っ!?」


 姫咲の声がして、がばりと起き上がる。彼女は机の上にノートパソコンを置き、なにか作業をしていた。

 青宮の体にはタオルケットがかけられている。

 時刻は17時。

 どうやらがっつり眠ってしまったようだ。


「し、しまった……俺としたことが」


「可愛らしい寝顔でしたよ」


「わ、悪い。つい」


「いいんですよ。無茶しすぎなんです、青宮さんは。たまには休みましょうね」


「う……そうだな」


 がっつり眠ってしまったので、言い返せない。


(休むのは重要なんだな……)


 自覚がないだけで、疲れが溜まっていたのだろうと、痛感する。


「樹さんは、青宮さんのために頑張りたいんですよ」


「え?」


「ダンジョンブレイクの時、私もなにもできなかったので……役に立ちたいんだと思います」


「それは……」


 青宮が口ごもる。

 姫咲は複雑な胸中となった。

 眠りにつく時、青宮は携帯の電源を入れっぱなしだったので、スリープに入る前の画面が姫咲の目に入ったのだ。

 樹とのメッセージ画面であったので、心配しているのだろうと、すぐにわかった。

 同時に、気になっているということも。

 だから、青宮の普段が少しでも軽くなればと思い、おそらく、今樹が考えていることを教えた。

 だけど乙女心としては、そうすることに、強い抵抗感もある。

 姫咲は立ち上がった。


「……コーヒー、入れてきますね」


「あ、ああ。ありがとう」


 どうせならゆっくりするかと思い、青宮は返事する。

 姫咲は少し、しょんぼりしていた。

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