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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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ナンバー1の帰国

「みんなに見てほしい映像がある。結論から言うと、荒木 貞雄が何者かの襲撃によって、留置所で殺された」


 獅子山の言葉に、ギルドマスター達がざわついた。

 無理もない。

 貞雄はギルドマスターの名にふさわしい、実力者なのだ。

 それがこの口ぶりからすると、単独犯によって殺されたということになる。

 信じがたい話であった。

 青宮の隣に座る新人ギルドマスター、神崎 エメラルドも驚いた声を上げる。


「本当の話なのでしょうか……これはニュースですね。ところで、青宮さん。今度我々のチャンネルに、ゲスト出演してみませんか!?」


「ちょっと静かにしててくれ」


 前のギルドマスターと全く同じことをしている。辟易とした。

 このマインドによって前任者は死亡したわけだが、そういうのを理解していないようだ。

 あの戦場を経験しているというのに。かなりのアレなのだろう。

 獅子山がパソコンを操作し、プロジェクターを起動。

 スクリーンに襲撃の映像が流される。

 例のりりかと名乗った少女が、素手で貞雄を殺害した場面。

 会議室がさらなるざわめきが生まれた。


「不意打ちとはいえ、あの荒木 貞雄を武器なしであっさり仕留めた。かなりの実力者である可能性が高い」


「ソンナニスゴイ、ボウケンシャガ、イルノカ?」


 ホセの言葉に、獅子山は首を横に振った。


「データベースと照合したが、該当する冒険者はいないとのことだ」


「では、何者だというのですか?」


 猪塚が問いかける。

 巨大ナメクジとの戦闘を見たせいか、猪塚は獅子山を以前と比べると実力を認めた節があり、当たりが若干柔らかくなっている。


「不明だ。謎の力を持つ少女、としか言えない」


 ダンジョンブレイクといい、次々とトラブルが起きる。

 貞雄を倒せるほどの力の持ち主を、協会が把握していない現状。

 ダンジョンなしで、どうやってここまでの力をつけたのか。

 そもそもダンジョンがなければ、ステータスすら得ることができない。

 さらにいうと、わざわざ荒木 貞雄を手にかけた理由も不明である。

 この少女は一体なにが目的で、何者なのか。


(わからないことだらけだな。いつも情報戦で出遅れている)


 そもそも前回のダンジョンブレイクも、まるでこちらの内情を知っているかのような現象が多かった。

 ダンジョンについて、わからないことが多すぎる。

 誰もが度重なる事態に困惑し、恐怖していた時であった。

 ばたんっ!! と、会議室の扉が乱暴に開けられる。

 そして室内に、戦意剥き出しの獰猛な女性の声が響いた。


「青宮 翼、いるかぁ? オレとヤろうぜ、なぁ?」


 帰国した、日本のナンバーワン冒険者――桐澤 揚羽である。

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