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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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彼に追いつくため

 ぴぴぴぴ、と携帯のタイマーが朝の6時を告げた。


「うぅ……眠い……」


 樹は弱音を吐きながらも、用意されたベッドから降りる。昨日は0時に寝ていた。

 ガス、水道、電気と全てが揃っているので、最低限の生活はできる。

 食料もコンビニの宅配で適当に買い揃え、冷蔵庫に入れていた。


『――調子はどうですか? 困ったことがあったら連絡をください。あなたをサポートします』


 四之宮からそんなメッセージが、携帯に送られている。

 正直、信頼はしていない。

 だが、どういうわけか、チャンスを与えてくれているのはたしかだ。

 利用しない手はない。

 しかしもう一個のメッセージは、樹の胸を苦しませた。


『――なにかあったら、相談してくれ。本当になにもないなら、それでいいんだ』


 青宮である。

 また、他のスマイル・アドベンチャーメンバーからも、心配をかけているのか、メッセージが送られている。

 罪悪感が胸にわだかまる。

 樹はお礼を返信した後、シャワーを浴びて、服を着替え、適当に朝食をとった後に、樹はEXダンジョンへと潜る。

 昨日と同じ、赤い壁と、赤い床が広がる部屋。

 そして高レベルのボタンを押し、モンスター部屋へと入った。

 部屋の中には、剣を持った黒いサルと弓を持った黒いサルがいる。


「キー! キぃー!」


「サモン――ヴァルキリア!」


 杖を天へ掲げ、召喚魔法を発動。

 小柄な銀鎧の少女が現れた。

 ヴァルキリアは前へと素早く出て、スピードでサル達を翻弄し、ヘイトを集める。

 やがて隙を見て、ヴァルキリアは横へ跳躍し下がった。

 樹が攻撃魔法を発動させる。


「ライトニング・ストライク!」


「キィィぃィィ!?」


 青白い稲妻が杖から放たれ、2体のサルを焼き殺す。

 絶叫が室内に響き渡るが、弓を持ったサルが範囲から免れていた。

 サルは矢を引いて、樹めがけて射撃。

 反応するも間に合わず、右肩を射抜かれた。

 矢尻が硬い骨にまで刺さり、割れるような激痛が走る。


「あぐっ!?」


 悶える樹。ヴァルキリアはすぐさまフォローに入り、弓のサルを剣で一閃。

 3体のモンスターの撃破に成功するも、樹は負傷した。

 膝をついた後、アイテムボックスからポーションを取り出し、痛みと傷口を和らげながら、矢を引き抜く。

 激しい痛みによって全身から汗が出て、呼吸が乱れた。


「はぁ、はぁ……」


 ヴァルキリアが心配そうに側による。

 しかし回復で落ち着くと、樹は立ち上がった。


「大丈夫。もういかないと。時間がない」


 樹は内心で笑った。


(なんだか、青宮くんみたい。危ないかもしれない。すごく、怒られるかも。でも、あなたの側に立ちたいから……)


 嘘をついてスマイル・アドベンチャーを離れてでも、強くなりたい。

 樹は移動し、再び高レベルのボタンを押す。

 開かれる扉。樹はモンスターのいる部屋の中へと、ためらいなく入っていった。

 2日目にして、疲労はある。

 だが、立ち止まってはいられなかった。

 ここでいつものペースになったら、EXダンジョンの意味がない。


「よーし! いっぱい狩るぞ! お~~~!!!」


 樹は自身鼓舞するように、明るく声を上げた。

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