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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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3つの部屋

「……行きます。私は、強くなりたいですから」


 樹は決意を固めた表情で、真っ直ぐに四之宮へ向けてそう返事をした。

 四之宮は笑顔を浮かべる。


「素晴らしいです! そう言ってくれると思っていました」


 樹はダンジョンのワープポイントへ触れた。

 システム音が告げてくる。


『――EXダンジョンの第一層へ転送します』


 樹は了承し、その姿を消した。

 四之宮はそうして樹がいなくなった後に、ぽつりとつぶやく。


「……まあ、本音を言いますと。あなたにはそこまで、期待していませんけどね。保険というやつでしょうか」





 赤い壁と、赤い床が広がる部屋。

 近未来の宇宙船の中のような、SFテイストのダンジョンであった。


「本当にダンジョンだ……」


 振り返ると、すぐにワープポイントがあって、そこから元の世界へ帰ることができる。

 半信半疑であったが、四之宮は本当にダンジョンを紹介したようだ。


(……強くなれるダンジョンかな)


 そんなことを思いながら、樹は部屋の中を探索する。

 左、真ん中、右、それぞれに開閉式の扉が上がり、その横に赤いボタンがある。

 ボタンに触れると、システム音が警告を発した。


『――この扉の奥には、LV20以上のモンスターがいます』


 左、右の赤いボタンに触れると別のメッセージが浮かぶ。


『――この扉の奥には、LV10以上のモンスターがいます』


『――この扉の奥には、LV30以上のモンスターがいます』


 なるほど、と樹はうなずく。


「それぞれの部屋がモンスターハウスに繋がっていて、LVも教えてくれる。一番弱いところと、普通なところ……そして、一番強いところ」


 樹は右の部屋へ向かった。


「なら、強いところ一択」


 赤いボタンを押すと、プシュウウウ、というガスが抜けるような音と共に扉が開いた。


「「「ガウぅぅぅぅ!!!」」」


 体高70センチほどの銀色の狼3体が、唸り声を上げた。

 通常のダンジョンと変わらない、獰猛なモンスターだ。経験値になるだろう。

 そして部屋の奥には、先ほどのものと同じように、3つの扉があって、赤いボタンがある。


(移動時間もなしに、倒したらまた3つの扉からモンスターハウスを選べる。他の冒険者への配慮や競争もなし……へえ)


 樹はにやりと笑みを浮かべた。

 それは普段の可愛らしい彼女からは想像もつかない――獰猛なものであった。


「これで強くなれる。青宮くんの側に立てる。力になれる」


 アイテムボックスから杖を取り出し、両手ぎゅっと握りしめた。


「最高。絶対にやってやる!」


 樹は強くなる決意を固め、前へと飛び出した。

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