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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第五章「最強の冒険者」

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働き方改革。姿を消した樹。

 スマイル・アドベンチャーの事務所。

 樹へ何度目かの電話をしたが、応答はなかった。


「樹さん、本当に旅行なんでしょうか……」


 携帯を切りつつ、姫咲の言葉に青宮は首を横に振った。


「……さあな。わからない」


 ダンジョンブレイクの後、樹は旅行とするから休暇をとるとメッセージで告げてきて、姿を消してしまった。

 姫咲が住んでいるマンションまで行ったが、不在。

 青宮も電話をするが、応答はもらえていない。

 ただ、メッセージには答えていて「本当に遠くへ行っているだけだから、大丈夫!」と返信していた。

 これ以上踏み込むなという、無言の圧力を感じる。

 こんなことは初めてなので、青宮としては心配であった。


「でも、これ以上追うのはやめよう。詮索してほしくなさそうだから」


「そうですね……」


 青宮の言葉に、姫咲はこくりとうなずく。

 ダンジョンに休みなく通っていたのに、突然の旅行宣言。

 なにかあるような気がしてならないが、メッセージには返信しているので、生存は確認できている。

 とりあえず今は、それでよしとすることにした。


「じゃあ、俺はダンジョンへ行ってくるよ」


 立ち上がると、姫咲は出口まで見送ってくれた。


「気をつけてくださいね、青宮さん」


「ああ。後は頼んだ」


 書類作業を姫咲に任せ、青宮はこの日もダンジョンへ潜った。





「――査定金額、15万2000円となりました。ご確認ください」


「ありがとうございます」


 夜22時。査定書を受け取った青宮は、協会を出た。


「……改革のスピードが速いな」


 冒険者協会の会長が獅子山となった今、様々な改革が手早く行われた。

 真っ先にメスを入れられたのが、冒険者への待遇強化だ。

 四之宮時代は分与がかなり狂っていたようで、魔石の買い取り価格が上がった。

 第六層を攻略し終えた青宮は、1日で15万2000円。

 第六層とはいえ、1個3000円前後の相場となっていた。以前は1800前後だったため、中々の昇給ぶりだ。

 しかしその分、見直されたところもある。

 例のギルドマスター手当てだ。

 四か月に一度の支給に減り、金額も一律40万となった。つまり年間、120万だ。

 データによると、40代サラリーマンのボーナス支給額の平均ならしい。

 しかしダンジョンブレイクにほぼ強制出勤であることを考えると、釣り合っているのかは人によるところだろう。


「まあ、冒険者にもっと回してもらえれば、それでいいけどな」


 少なくとも、以前の青宮は露骨なえこひいきによってギルドマスター手当を貰いすぎていた。それは間違いない。

 あの時の1000万は、まだ手をつけていない。

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