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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第四章「後継者争い」

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死神、再来

 ドオオオオオン!!! という爆音と、空に大きな爆発が発生したのを樹達も目撃した。


「あれは、ホセだろうか……」


 獅子山が風の上級魔法を放ち、ワイバーンを全て撃破した後に呟いた。

 戦闘は獅子山が合流したことにより、死者も怪我人もなく進んでいく。

 だが、空からそれが現れた――ホセと戦っていたのとは別個体の、トリニティ・ワイバーンだ。

 その巨体から放たれる魔力と威圧感は禍々しく、戦場に緊張感が走る。


「また、あのドラゴン……!」


 樹が茫然と呟く。

 一体どれだけ、絶望的なボス戦がインスタントに現れる戦場なのだろうかと、戦慄した。

 そしてある程度は自分のペースで進めることと、事前にインターネットで調べれば情報が出てくるダンジョン攻略が、いかにヌルゲーかということを知る。

 現実の戦いには事前情報がなく、理不尽なのだ。

 こちらのレベルや戦力など、考えてはくれない。


「俺がいこう」


 獅子山が宣言する。

 彼のギルドメンバーが止めるにはいるが、獅子山は首を横に振る。


「他にやれる人材がいない。青宮が不在なのは、ボスフロアへ行ったからだろ? 彼がやられるはずがない」


 獅子山の言葉に、乾が頷いた。


「そうです。ただ、柱が一気に消えて、戻って来ないんです」


「おそらく、7つの柱全てをやらされているのだろう。海外で、そういったパターンも観測されている」


「っ!?」


「大丈夫だ。青宮なら、全て倒して戻ってくるだろう。それよりも、あのドラゴンをどうにかしないといけない」


 獅子山は2対の剣を握りながら、前へと出る。

 しかし乾は気づいた。

 獅子山のその両手は――少しだけ、プルプルと震えていたのだ。


「行ってくるよ。みんな、あとは任せた」





 3体目のボスは剣を持ったディアボロスであった。

 槍と似たようなタイプだったので、真っ向勝負に持ち込んで倒す形で突破する。

 動きも3戦目となると、ある程度慣れてくるので、安定して立ち回ることが出来た。さらに経験値も多いようで、レベルも上昇する。


『――青宮 翼のLVが36へ上がりました。HP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』


 ダンジョンブレイクは休みなく戦闘になり、強敵とも連戦になるので、レベルは上がりやすい。

 この災害の、唯一のメリットと言えることなのかもしれない。


「……さて。次へ行くか」


 猪塚を抱えつつ、次のワープポイントへ触れる。

 次のダンジョンフロアへ瞬間移動。同じ空間だが――対峙する相手の姿を見た瞬間に、青宮は息を飲んだ。


「なっ……お前は、工藤!?」


「やあ。久しぶりだね」


 現れたのは、冒険者狩りをするユニークスキル“死神”を操った男――工藤であった。

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