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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第四章「後継者争い」

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素晴らしきこのブラック業界

 壮絶な空中戦は長く続いた。

 ドラゴンもトリニティ・ワイバーンも大きなダメージを負い、消耗している。

 上に乗るホセも、肩で息をしていた。


「ソロソロキメル」


 同じことを敵も考えていたようで、トリニティ・ワイバーンは息を吸い魔力を蓄える。

 こちらも魔力を溜めて――ホセは雷魔法を、ドラゴンは雷のブレスを吐いた。


「――ライジンハ!」


 すさまじい量と威力の雷が、トリニティ・ワイバーンへ向かって落ちていく。

 トリニティ・ワイバーンも、三本の首から炎の海を吐き出した。

 強力な上級魔法と上級魔法がぶつかり合ったことにより、空中で爆ぜた。

 建物を、ビルを破壊するほどの爆発が起きる。

 吹き飛んだトリニティ・ワイバーンは――雷魔法に貫かれ、地面へ落下。

 どすんっっっっ!!! と大きな音と共に、ぐったりと動かなくなり、その体は消えていった。

 ドラゴンとホセも落下していき、緑豊かな公園へと落ちる。

 ドラゴンはダメージによって消えていった。そして彼がクッションになったことで、なんとかホセも生き残る。

 しかし消耗が激しく、体のあちこちを焼かれ、激痛が走っていた。

 仰向けになって転がり、ホセはポーションを体にかける。

 じゅうううう、とポーションが音を立てて蒸発し、焼けた肌に染みていった。痛みで思わず、うめき声が出る。


「ハァ、ハァ……キツイ」


 賃金は良いと思っているが、毎日働かされ、命がけで、ホセは思わず弱音をこぼした。

 昨日だって、たっぷりダンジョンをしていたのだ。疲労がある。

 そこに多くの命がかかわる、大規模戦闘の仕事。

 ホセは呟いた。


「ニッポンハ……ブラックダネ」





 現れたディアボロスは槍を持っていたため、前回の戦闘とは違った展開となっていく。槍は接近戦ながらもリーチが長く、青宮の斧より外の距離にいながらも、休みなく近距離攻撃を放っていく。

 襲いかかってくる突きを回避し、槍の軌道を斧で叩いたりして逸らすことで、防御をする。

 懐へ入り攻撃をせず、そうして時間を稼ぐ。

 手数や近距離戦で攻められる方が、青宮としては確実な勝機を掴めないと判断したのだ。

 あまり近づきすぎると、素早い動きで反撃される。

 現に近い距離での駆け引きは、ヒヤリとする場面がいくつかあった。

 圧倒的に勝てるのは、ベルセルクで増している攻撃力。

 真っ向からのパワー勝負だ。

 攻防の後――やがてディアボロスは槍へ魔力を込め、その先端に混沌とした闇の力を宿す。

 青宮も新たなスキル、カオス・クレイブを発動させた。ダークブルーの炎を武器に宿し、前へ出る。


「さあ、勝負だ」


 両者の武器がぶつかり合う。

 ズドオオオオオ! と、魔力同士が爆発し――その衝撃が、ディアボロスの体を溶かしていく。

 悪魔の大きな鳴き声が木霊しながら、体が消えていく。

 そして次のワープポイントが現れた。

 間髪入れずに、次のボス戦。

 中間の探索エリアとかがない分テンポはいいが、ハードであることには変わりない。


「はぁ、はぁ……まあ、地獄の社畜時代と比べれば、まだまだイケるけどな。休憩は与えられているし」


 少し息を整えるために休憩をした後、猪塚を抱えてワープポイントへ触れる。


「よし。次だ」

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