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彼女に捨てられた社畜、覚醒スキル《∞ウェポン》でダンジョン無双  作者: 音有五角
第四章「後継者争い」

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カオス・クレイブ

 ディアボロスが右腕を振り、闇の攻撃魔法を放った。

 紫色の球体が青宮めがけて、真っ直ぐに飛ぶ。

 素早く回り込むようにして駆けながら、距離を詰めつつ回避。

 攻撃が止んだ瞬間に前へと飛んで、斧をふり下ろした。


「ォォォォォオオオ!」


 ディアボロスは声を上げながら青宮の攻撃を回避し、反撃に左腕を振るった。

 手からは鎌のような長い爪が伸びている。

 その爪が命を刈り取るかのように、襲いかかった。

 爪の軌道を見定めつつ、体を右に、左に飛んで対処。

 しゅっ、シュッ! と空気を切り裂く鋭い音が、遅れてやってきた。

 反撃に放つ斧の一閃を、ディアボロスは大きく後ろへ飛んで回避。

 距離をとられた瞬間、再び攻撃魔法を放たれた。


「ワイバーンの魔法よりも高威力……こいつらが地上にいないのが幸いか」


 青宮はそう分析をしながら、攻撃魔法をかわし、距離を詰める。

 緊迫とした攻防がそこから再び繰り広げられ、体力を削られていく。

 爪による斬撃も、闇の攻撃魔法もかなりのパワーがあった。

 そして回避できないタイミングと体勢で、ディアボロスが右腕をふり下ろす。

 青宮は∞ウェポンをかざし、その爪を受け止めた。

 ぐぐぐぐぐ、と一瞬だけ押し込まれるも――それを全力で押し返す。ぶんっ! と重々しい衝撃と音を放ちながら斧を振りきり、ディアボロスが後ろへ仰け反った。


「オオオオォ!!!」


 ディアボロスは後方へ下がり、右腕を上げる。

 その表情はにやりと、口角が上がっていた。これで殺してやると、殺戮を楽しんでいるかのように。

 瞬間――その腕に、大量の闇の魔力が集まった。

 その闇はやがて混沌とした塊となり、右腕を覆う。

 ヒヤリ、と背筋に悪寒が走った。強力な力を感じる。全身に鳥肌が立った。


「俺も強くなってるんだ。真っ向から勝負してやる」


 新たなスキル――カオス・クレイブを発動。

 ∞ウェポンの宝石部分が光り、ダークブルーの炎を刃に集まる。

 ゴオオオオオオオ、とすさまじい音を立てながら、炎は激しく燃え盛った。


「行くぞ!」


「オォォォォォ!!!」


 2人の全力。闇の魔力と、ダークブルーの炎が激しくぶつかり合う。青宮は斧、ディアボロスは右腕をストレートに放った。

 耳鳴りするほどの爆音が、辺り広がる。瞬間、強烈な衝撃がディアボロスの全身を襲った。

 闇の魔力をも呑み込み、ダークブルーの炎がその禍々しい体を焼いていく。

 青宮が斧を振り切った瞬間、ディアボロスは全身に火が上がった。


「……よし。これで終わりだな。新技も高威力だ」


 ディアボロスの体が倒れ、動かなくなる。

 ダークブルーの炎が消えた後に、紫色の魔石だけがその場に残った。


『――青宮 翼のLVが35へ上がりました。HP+82 MP+27 攻撃+26 防御+19 魔力+26 精神+19 俊敏+18』

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