ポイント6へ合流
「でも、格納庫へ入るところまでは、一緒だったような……」
樹がそう言うものの、どこか自信がない。
乾、白井も似たようなものであった。
素直に考えれば逃げ遅れたか、やられたかのどちらかだが……荒木の実力的に、どうにもそれは考えづらい。
そうなると、自分の意志でここへ乗らなかった、ということになる。
(どんな理由があれば、そうなるっていうんだ?)
青宮達の間で沈黙が生まれる。
考えても、答えは出なかった。
そして通信端末に、協会から連絡が入る。
『――スマイル・アドベンチャー、青宮 翼。戦況を報告します』
「……ああ」
若い男の声。
その人物は淡々と、状況を説明した。
『現在、撤退をしたのはポイント1、2、7です。1は3へ、2は4へ合流予定となります』
記憶の中で、どのギルドマスターが担当していたかを思い出す。
1は獅子山率いるノヴァ・フロンティア。
2は“ブラックアドバンス”、“オーバーガッツ・イノベーター”。
どちらも中立派だ。
通信が終わった後、青宮は肩をすくめた。
「なんか都合が良すぎると思わないか?」
「なにがだい?」
乾が首をかしげると、青宮は続ける。
「後継者争いで“四之宮派”が不利な時に、ダンジョンブレイクが起きた。その上、中立あるいは獅子山派ばかりが都合よく“敗走”。で、四之宮派が関わっているポイントは、戦況が崩れていない……連中の運が良すぎるだろ」
うーん、と樹は唸る。
「これって、四之宮派が有利になっちゃうの……?」
「少なくとも、獅子山勢力の力が“弱い”という印象を与えられる。このままだとな」
「そんな……」
ちらりと端に固まるバズり☆シーカーズを見る。
あの調子では、彼らは離脱するかもしれない。
獅子山は不利になるばかりだ。
そして艦内へ、次のアナウンスが流れる。
『――まもなく、ポイント6へ到着! 戦える者は前へ!』
★
ポイント6も同じように多くのモンスターに戦っていた。
だが、映し出された映像で見る限り、あの時のようなワイバーンがいるわけではない。
(俺らのところには運悪く、あの強いワイバーンが来た……か。いよいよ誰かが操っている疑惑があるぞ)
もっとも、ダンジョンブレイクやモンスターの動向を操れる存在がいたら、前代未聞だ。
しかし事態はそれを疑うほど、四之宮派に有利なことばかりが起きている。
青宮達を乗せた飛空艇がポイント6へ着地し――ハッチが開く。
戦える自衛隊、そして青宮達スマイル・アドベンチャーが降りる。
一見、戦況は安定していた。
だが、地面が揺れた。
奥の闇から、大きな一つ目が光る。
サイクロプス。
自衛隊の銃も、冒険者の魔法も通じない高レベル。
黒い棍棒が勢いよく振り下ろされ、地面が砕ける。
誰もが逃げるだけで精一杯だった。
その中で、一人だけ勇敢に前へ出る姿があった。
フェミ旅団のリーダー――猪塚 静恵。
彼女は胸を張り、堂々と宣言する。
「女性の力で、あのバケモノを倒してみせましょう」




