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魔法少女の方程式  作者: テイる
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第34話 葛藤


(彼女が・・・ユキワがあのキングダムのプリンセス・スノウ・リング・・・それじゃ、姉さんが助けたのは敵の幹部だったってこと?)

「キャロ、心ここにあらずですね。訓練中だということが分かってないですね。」


 キャロの目の前にいた女性が、持っていた木刀で頭を軽く叩いた。


「いたた・・・すみません。マスター・・・」

「ハァ・・・仕方ないですね。貴方の戦い方は補助系。リオが抜かれた時に、ルナと貴方の二人で対処するのは難しいんですからね。」

そう言いながらキャロにマスターと呼ばれていたクレハは再び木刀を構え、キャロに向かい攻撃を仕掛けていく。

その動きを読みながら、キャロは攻撃を避けていくのが必死であった。

避けた先での反撃の動作はできず、後ろへ一歩また一歩と部屋の壁へと追い込まれていった。

そんな状況が何時間も続き、傷やホコリまみれになったキャロはシャワーを浴びた。

水が粒子のように流れ落ちる中、滲みて痛みを感じつつも彼女の中ではユキワの事を考えていた。


「私は・・・どうすればいいんだろ・・・」


痛みを感じながら、キャロはしばしの時間で身体を休めていた。

シャワーのある更衣室の外廊下ではクレハは扉にもたれかかり目を瞑っていた。

その時、廊下の先からリオとルナが歩いてきた。


「だから、あの戦いは絶対に氷魔法で攻めた方がよかったと思うよ!!」

「そんなことないわ。あなたはそうやって力まかせで戦うから・・・あ、ドールテン総監。失礼します。」

「ん?あ、総監だ♪どうしたんですか、こんなところで?」


クレハに気づいた二人は笑顔で側にまで歩いていき軽い挨拶をした。

それに気づいたらクレハも優しい笑顔になり二人に向かって微笑みながら頭の撫でた。

いきなりの行動にびっくりした二人は頬を赤らめながら慌てていた。


「キャロの・・・私の弟子の事をお願いね。」


そう言うと撫でるのを辞めたクレハは振り返り、自分の部屋に戻っていく。

二人はその姿を見なが唖然とその場に立っていた。

少しの時間が経った頃、横の更衣室の扉から制服に着替えたキャロが出てきた。

目の前に立っていた二人を見て彼女は驚きを隠せなかった。


「わっ!?リオ姉、ルナ姉、どうしたんですか?こんなところに立ってて・・・」


その言葉で我に返った二人はキャロの顔をじっとみながらリオは抱きつき、ルナはため息交じりの笑みを浮かべた。

キャロの頭には?マークが大量に浮かび慌てふためいていた。



その頃、キングダムでは新たな狂気が暗躍していた。

そこには王家5兄弟の次女ジュナと次男エンライドが話をしていた。


「クソッ!!あのオヤジもクソアニキも今は動くなってどういうことだよ!!」

「このままだと身体がなまっちまう。エン兄!俺はこのままじっとしてるのは無理だぜ」

二人は、しばらくの間大きく動くことができず、苛立ちを隠せずにいた。

「せっかくスノウ・リングを消して俺たちが本気で動けるのによ~」


ジュナの怒りが限界になりかけ、手のひらに貯めていた魔力を球にして壁に当て始めた。

エンランドはそれを怒りの笑みを浮かべながら見ていた。

しばらくその魔法の球を壁に当てる続けたあと行きを切らしながらクソッと怒りを顕にした。


「まぁまぁ、ジュナ様もエンライド様そうイライラせずに」

ふと暗い広間の奥から一人の老紳士が現れた。

その老紳士は二人の顔を見ると深々と頭を下げた。


「クリストファー・・・」


エンライドがそう言うと、クリストファーと言われた老紳士はヒヒヒと笑いながら、二人の側まで歩いてきた。

「お二方、今回動くなと言われたのはご兄弟様のみ・・・私は何も命を受けておりませぬ。なので今回は私めにおまかせを・・・ヒヒヒ」


細めた目で不吉な笑いをしながらクリストファーと呼ばれた男はその場に魔法陣を書きながら話し始めた。

「ヒヒヒ・・・私は以前から皆様の行動を見ていて思ったのですよ。もっと面白い、楽しいやり方があると思いまして・・・ヒヒヒ、そのためには私の魔法陣にお二方の魔力を使って魔導生物を作り上げましょう。」


二人はクリストファーの動きを目で追いながら、彼に問いかけた。

「オレ達の魔力で何をしようってんだ?」

「そもそももっと面白いやり方ってなんだよ!!」


それを言い終わるか終わらないかのタイミングでクリストファーは魔法陣を書き終わり不吉な笑みのままこちらに振り返り口を開いた。

「ヒヒヒ・・・いるじゃないですか。楽しめつつ、あの魔法少女の方程式やM'sK・・・いやそれ以上の大事にできる・・・一番の獲物が・・・ヒヒヒ」


そう言うと、魔法陣が青白く、はたまた紫色に光りだした。そしてその魔法陣は二人の身体から少しずつ魔力を吸い出し。光はどんどん黒く暗黒な煙を出し始めた。しばらくするとその中に一匹の人型悪魔の姿が出現した。

その悪魔を見ながら、クリストファーは再び不吉の笑みを浮かべ口を開いた。


「次の標的は・・・魔法少女の方程式・・・叡智の魔法使い ルナ・アンバーレイン・・・ヒヒヒ」


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