第32話 私の名前はね♪
キャロがM'sKに加入してから2週間が過ぎた。
その間、キングダムとの大きな争いも無く、魔法少女の方程式の三人を含め平穏な時を過ごしていた。
リオとルナが、ベルの研究室から戻りミーティングルームへ向かう途中で、キャロの姿を見つけ声を掛けた。
「キャロ~♪」
「あ、リオ姉♪こんにちわ。ルナ姉♪これからミーティングルームですか?」
「そうだよ~。それに今日はみんなへお披露目しないといけないもんね~」
「はい!!全員分届いているので、お二人にもぜひ♪」
そう言うと、三人はミーティングルームへと向かった。
M'sK本部、最上階総監室の手前にある大きな部屋で、通常の総監室内での話以外の、大人数でのミーティングを行うために作られた専用ルームである
三人は、ミーティングルームに入室すると、そこには既にM'sKの主要メンバーが集っていた。
「魔法少女の方程式、三名到着しました。」
ルナがそう言うと、クレハが笑顔で迎えてた。
「リオ、ルナ、よく来ましたね♪あとキャロ......さぁ、今回の件は貴方が発案した事なのだから伝えなさい♪」
クレハがそう言うと、キャロは頷きながらルーム中央に立つと一礼をして話し始めた。
「クレハ・ドールテン総監より指名いただきました。キャリオット・コーリアスです。今回、皆様にお集まりいただいたのは、以前お伝えした通りM'sK全メンバーの統率を図るため正装としての制服とは別に、常着用の制服を作らせていただきました。」
そう言うと、ミーティングルームの中央の360度モニターに新制服の画像が映された。
それを見ながらキャロは更に話を続ける。
「今回のこの制服には、メモリーブレスからの魔力信号を受けることにより、マジックローブの常時展開状態になるため、不意打ちの攻撃にも対応できるようになっています。そしてチームによって合わせた色を使わせて頂いているので、誤攻撃を防ぐというメリット、同一の制服により協力なチームワークを生むと判断しました。」
キャロは、そう言いながらその場にいるメンバーに一人ずつ、制服を渡していった。
そして最後にクレハにも制服を渡し終わると、手元にあった自分の制服を羽織った。
「新人の私ですが、これはM'sKとキングダムとの戦いが更に激しくなる上で、必要だと思い発案させていただきました。以前もお伝えしましたが、何卒......私の思い、受け取っていただきたいです。」
そう言うと、再びキャロは深々と頭を下げた。
暫くの間、部屋の中は静けさに包まれた......すると、クレハが立ち上がり制服を羽織った。
そして、前ボタンを締めしっかりと着こなした後に、口を開いた。
「着やすくて、動きやすい。それに......組織としての結束力を上げるに申し分ないですね......私は賛成です。今後は現場スタッフだけでなく順に内勤スタッフにも配備していきましょう。それに、自分の唯一の弟子が何日を寝ないで練った計画書を見たときから、反対する気はなかったですから♪」
クレハは満面の笑みをキャロに向けながらそう言うと、その場にいた全員が制服を羽織り、拍手をした。
キャロはそれを見ながら、少し涙目になりながらリオとルナを見た。
二人は、既に制服に着替えており、手でグッドマークをやVサインを作りながら笑顔でこちらを見つめていた。
感極まったキャロは、二人の方に走り出し勢いよく抱きついた。
涙を流しながらも声を殺し、震えているキャロに2人は優しく抱きしめ返した。
それにつられ、周りも拍手をしながらミーティングは終了した。
その後、それぞれの任務に戻るために他のチームも含め、次々にミーティングルームから出て行く。
キャロも、その流れに乗りながらエレベーターホールまで歩いていたが、ふとリオやルナが見当たらない事に気づきミーティングルームに戻った。
だが、そこには二人の姿は見当たらなかったが、エレベーターホールからミーティングルームまでの道は1本しかないため、すれ違わなかったためキャロは念の為、その先にある総監室の扉を軽い力で少しだけ開けた。
そこには、二人がクレハと一緒に話している姿が見えた。キャロは部屋に入ろうとすると、そこから話が聞こえてきた。
「総監!やはり私は彼女を魔法少女方程式のメンバーにするのに疑問を持っています。」
ルナのその言葉に、キャロは動きを止めそのまま話を聞いた。
自分の事を放しているのだろう。ルナの放った言葉はキャロの胸に刺さった。
「私も・・・少し不安があります。総監としてはどうしてこんな命令を・・・」
リオも不安そうに伝えると、クレハはため息をつきながら外を眺めていた。
キャロにとっては信じていた先輩であり、姉の親友の二人に信頼サれていなかったことにショックを受けて、続きの話を聞かずにそのまま無意識にそこから離れていった。
どれくらい歩いただろう、自分はやはり新人で信頼を得るにはまだまだだと思いつつ、ふと我に帰るとキャロは見知らぬ庭園に辿り着いていた。
そこは、見たこともないような色とりどりの花が咲いており、その場は花の甘い香りがしていて、さきほどまでのもやもやは落ち着いていた。
「ここはいったい・・・?」
落ち着きながらも、その庭園全体を見回しながら不思議そうに庭園の真ん中にある大きな樹木の前まできた。
その木の表面を触りながら、目を瞑り大きく深呼吸をしてみ心を落ち着かせた。
「ここって気持ちいい・・・心落ち着くな~」
そうしていると、後ろの方から物音が聞こえた。
キャロはハッと我に戻り、周りを見渡した。
するとそこには、手のひらサイズの小さなタイタン族の子供がいた。
「かわいい・・・きみ、迷子なの?」
「キュー?」
そう言った瞬間、そのタイタン族の子供を追ってきたのか、後ろから一人の少女が現れた。
「こら、キュースケ!急にいなくなったらだめでしょ!!」
自分と同じか、少し年下くらいの少女がそう言うと、キュースケと呼ばれたそのタイタン族の子供は少女の元に走っていき、肩に乗った。
「お姉ちゃん、誰?」
キャロに気づいた少女は、そう言うと笑顔でキュースケの頬をなでていた。
「私は・・・キャリオット・・・キャロって呼んで」
そう言うと、少女は笑顔で目線を向けて自分の名前を伝えてきた。
「キャロお姉ちゃん♪よろしくね。私の名前は・・・ユキワって言うの♪」




