第31話 私の意志のもと
強き風が流れる中、一人の魔法少女がそこに立っていた。
「私は......ミア姉さんの意思を継ぎ、そして私自身の意志で、いまここにいる!」
キメラモンスターはキャロを目視すると、すかさずキャロに向かって殴りかかった。
キャロもそれを見て、再びカードホルダーからカードを出しスキャンした。
「アースウォール!!」
目の前に土で作られた壁が発生し、キメラモンスターの攻撃を受け止めた。
そして、再びカードをスキャンすると水の刃がモンスターを斬り刻んだ。
身体中が傷だらけになったキメラモンスターはその場に倒れ、動きが止まった。
「ウォーターカッター......これで、しばらくは動けないですね。では、そろそろ姿を出したらどうですか?そこに隠れているのは分かっているのですよ!!」
そう言うと、キャロはウォーターカッターを何もない場所に向けた。
すると、何もなかった場所の空間が切れるように、その場が引き裂かれ謎の男が現れた。
「な、そんなところに人間が!?」
「っ、全然気づかなかった」
突如現れた謎の男に、リオとルナは気づかず、ただ呆然としていた。
キャロは鋭い目で、現れた男を睨みつけた。
「おっとと......俺の居場所が分かるとは、お前只者じゃないな......」
「私は、M'sKの新米魔法使いです。あなたこそ、何者ですか?」
キャロの言葉に、目の前の男は不敵に笑い始め、頭に手を当てながら自分を紹介し始めた。
「フハハ、ハハハ!!そうかそうか。それもそうだ!俺の名前はロンド。我が主プリンセス・スカーレット様に仕える二柱が一人!」
「やっぱり、キングダムでしたか......プリンセス・スカーレットの部下なら、本気で戦っても大丈夫ですよね。覚悟してください!」
「ハハハ、冗談......俺はまだやることがあるのでね。その代わりに、そこで倒れている私のキメラモンスター......いや、あえてドールと呼ぼうか。そのドールを使わせてもらう」
そう言うと、倒れていたキメラモンスターに魔法を掛けると、再び立ち上がり遠吠えを始めた。
それを見て笑顔になったロンドは姿を消した。
「ま、まて!!っ......ドール、まずはこいつをなんとかしないと、リオさん!ルナさん!ウェポンエンチャントを!」
「え!?あ、うん。ルナ!いける?」
「わかった。でもミアの魔法がないと強化が......」
「任せてください。私も、魔法少女の方程式の戦い方。姉さんから教えてもらってます!」
「ミアの......、うん、キャロ!お願いできる?」
「はい!!いきます。カードスキャン!ハイブーストパンプアップforウェポン!!リオさん、受け取ってください!」
そう言うと、強化魔法がリオに付与される。
リオの身体中に広がる強いチカラが身に纏う。
「これは、凄い......チカラが湧き上がる。これが、キャロちゃんの魔法......」
「まだこれから!ウォーターエナジーforウェポン!」
リオの剣に、水の魔力が付与される。
「よし、これなら!いける!」
「まだです!」
リオが攻撃をしようとした時、キャロがリオを止めた。
二人がキョトンとしていると、キャロはホルダーからカードを一枚取り出した。
「姉さんの強化魔法、ルナさんの属性魔法、リオさんの付与魔法......そして私の魔法、カウンターサークル!」
キャロの呪文で、周囲に大きなフィールドが発生した。
「カウンターサークルは私の、オリジナル魔法......エリア内の特定の魔物の力を弱体化させ、私達の力を増大させる!リオさん!!行ってください!」
「ありがとう、キャロちゃん!くらえーーー!!ウォーターカリバー!!!」
弱体化して、動作が遅くなったドールをリオの強化された魔法剣が真っ二つに切り裂く
そして、ドールは一瞬燃えたかと思うと、その場に塵となって消え去った。
それに合わせて、キャロの発動させたカウンターサークルも消え、三人のローブが解除された。
「ふぅ、なんとかなったね。キャロちゃん!ナイス♪」
「そ、そんな!私はただ、習った戦い方で戦っただけです」
キャロは、リオに褒められると、焦りながら返答した。
ルナは、それを見つめており、気づいたキャロはルナに目を向けた。
「ルナさん......あの、私......」
キャロが、少し怯えながらルナに声を掛けると、ルナは近づきキャロを抱きしめた。
「ルナさん!?」
「本当に......本当に、あなたはミアの妹なの......」
「......はい。姉さんから聞いていました。凄く心から温かい方たちだって......私も、お二方と一緒にいたいと思っていました。」
「うん.......うん♪リオ、私はキャロを魔法少女の方程式に正式に入れてもいいかもと思っているんだけど......」
「私は、ミアが託して、ルナが認めた娘なら何も言わないよ♪キャロちゃんは、今日から正式な魔法少女方程式のメンバーだ」
それを聞いたキャロは、緊張が緩くなったのか、瞳に涙を流しながらルナの胸の中で声を殺しながら泣き出した。
「なんかさ、初めて見た時はミアよりしっかり者みたいだなと思ったけど、実は結構甘えん坊さんなんだね♪」
リオがそう言うと、キャロは更にルナの胸元に蹲りながら、返答した。
「だ、だって.....姉さんから後をお願いって言われて、それにお二人に憧れてたから、素の自分は見せられないと思って......」
「う~ん、リオ!ちょっと面白い事を考えたから耳を貸して♪」
キャロの素の顔を見て、ルナはリオと話をして二人が不敵な笑みを浮かべると、キャロに向かって宣言した。
「キャロ!今からあなたは、私達の事をリオ姉、ルナ姉と呼びさない♪」
「え!?ちょ、それは.......恥ずかしい......です」
ルナの提案に、キャロは顔を赤くしながら答えた。それを見て、二人はより顔をにやけながらキャロに抱きついた。
「ちょ、やめてください!リオさん!ルナさん~~~」
「あ~、またさん付けした~」
「キャロがちゃんと呼んでくれるまでやめませ~ん♪」
慌てるキャロに、より二人は抱きつき、遊んでいた。
「や、や、やめてください。リオ姉!ルナ姉!」
慌てふためく中、やっとの思い出、二人の名前を呼ぶと、目をキラキラさせながら笑顔で抱きつくのをやめ、声を合わせて返事をした。
『はい♪よろしくねキャロ♪』




