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魔法少女の方程式  作者: テイる
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第28話 それは私達であるため

「だいじょうぶ~♪久々に私が......いや、私達が本気で相手したくなったからね......CROSS☆CASTがただの広報担当じゃないこと見せてあ・げ・る♡」


 ハニィは、右手に着けていた自分のメモリーブレスを出し、ローブを羽織った。


「キオさんって言ったよね♪知ってると思うけど紹介するね♪笑顔は元気の源、全てを愛し笑顔を作る、微笑みの魔法使い!ハニィ・アシュリ......そして......」


 黒い霧がハニィの周りを包み、ユアの姿に変わった。そしてユア自身も左手に着けていたブレスの力でローブを纏った。


「秩序を守り、真実を解く、全ては永遠の平和のために......M'sK広報部情報担当ユア・シュウハ......私の、私達の本当の力、見せてあげます」


 キオとユアは間合いを取りながら、攻撃の機会を伺っている。

 リオとルナは、ハニィに言われた通りに、攻撃を止めて後ろで待機をしていた。


「リオ、ユアさんは、戦えると思う?」

「ユアさんは......違うかな、私の知っているCROSS☆CASTなら大丈夫」


 間合いを取っていた二人であった。

 刹那、キオが持っていた斧を振りかざしながら高速で向かってきた。

 ユアは、その動きを読み、斧の動きに合わせ身体を捻りながら攻撃を避けた。


「なるほど......。ユアさんの柔軟な動きは確かに厄介ですね。ですが、この攻撃ならどうですか」


 そう言うと、キオは斧を天に向け素早く回転させた。

 するとその場にある椅子やテーブル、壁面の塗装が剥がれ、微細まで砕かれる。


「この粒子が舞っている中では、視界も弱くなるから貴方の動きも約に立たないですよ」


 キオは笑みを浮かべながらそう言うと、少し距離を取り再び斧を振りかざした。

 それは風の刃となりユアの身体を切り裂いていく。

 

「......確かに、これだと私の戦い方には合わないわね。でも......私の戦い方なら問題ないわ♪」


 ユアの姿は粒子の中でハニィに変わっていた。そしてハニィの陽気な声を聞き、とっさにリオはルナの壁となり防御魔法を自分たちの周りに張った。


「ちょ、リオ!?」

「ルナ、このまま動かないで!!」

「リオちゃん分かってるね~♪私の現役時代の通り名を知ってるんだね~♪」


 ハニィがそう言葉を投げかけた瞬間、部屋全体が赤く光り、その部屋で爆発が起きた。

 キオもとっさに防御をしようとしたが、斧が吹き飛ばされるほどの強い力を受け、利き腕は肩から指先まで真っ赤に火傷していた。


「私の現役時代の通り名は......」

「笑顔の爆薬、ハニィさんが行動を起こすと、周りに何も残らないくらいのボンバーガール、爆発の鬼だったんです。よね.......ハニィさん」

「ごめ~いと~う♡さすがリオちゃん♪お陰様で苦情も多くて~♪......そんな理由もあって、広報部と言う内部組になってしまったというわけです。まぁ、最後の仕事でいろいろやらかしたんですがね、ハニィは......」


 話しながらユアに姿を変え、キオの元へ近づき汚物を見るように睨みを効かせた。


「あんまり活躍してないですが、私ももともとは現場組。実は近接なら日光よりも強いんですよ......ねっ!!」


 そう言いながら、キオの顎に向かって膝蹴りを食らわせた。

 予想外の攻撃に対応することができず、キオはその衝撃で飛ばされ5mほど離れた場所に倒れ、起き上がる様子がなかった。


「そう、ユアさんは美人な秘書タイプの人だけど、現役時代の通り名は、粉砕の悪魔......とにかく相手の骨が砕ける音に快感を覚えている危険度MAXのヤバイ人って......」

「リオさん。今の私は、平和が大好きですから......昔のあだ名はメッ、ですよ。」


 ユアから向けられた軽い笑顔ですら、リオには恐怖を感じた。

 魔法少女の方程式の師匠である、日光と月光と同レベルの力を持ちながらも、その優しさのない戦い方には二人は唖然としていることしかできなかった。

 


 その後、本部の応援が到着し、意識が飛んでいたキオはそのまま監視付きで魔導病院に連行された。


「なんか、いろいろトラブル起きちゃったけど、二人共大丈夫だった?♪」

「だ、大丈夫です!さすがです。現役時代に劣ってないですよ♪」

「むしろ味方が一番、怖かった気が......」

「だろうね~♪それは自分たちが一番分かってるよ♪」


 そんな話をしながら、事後処理をしつついろいろ事をハニィは話してくれた。


「あとね......二人に伝えたいんだけど。私が、ユアになっているのは......側にずっとユアを感じられるからって伝えたかったんだけど。」

「ユアさんを?」

「そうそう♪最後の現場での任務の時に、私を庇って亡くなった。でもね♪私とユアとの約束、どっちが亡くなっても、私達はお互いも演じる。一人で二人を演じるなんて、お互いをよく知っていて、お互いを信じれる。」

「なんで演じるなんて約束を?」

「にはは♪私達はもともと、広報部を兼任して現場活動をするって話を総監からもらってたの♪だから、どっちかが死んだなんて、広報部の人間に合ってはならないから、事前に約束をしたんだ。」

「ハニィさん......」


 ハニィは、自分の過去にあった話、そして自分がなんで二人を演じているのかを二人に伝えた。

 それは、あまり他の人に知られて気分が良いものではなかったであろう。

 だが、伝えないといけないと思ったのであろう。彼女はいつになく真剣な言葉で全てを話した。


「だから、だからね......ユアはもう私の側にはいない。でも私がユアを演じている限り、ユアは私の側にいるの。それと同じでね、あなた達にとってのミアちゃんも、ここにはいないけど、この空の下にいるんだから。いつか絶対また会えるって信じて頑張っていこう♪」

「なんか、ハニィさんっぽくないですね♪」

「いいじゃない♪実はあんまり人に何かを伝えるの得意じゃないのよ♪はい、これで私の伝えたいことは終了♪早く本部に戻って任務に着きなさい!」

「......はい♪ハニィさん!ありがとうございます。」

「私達、これからもっと頑張れます。」


 そう言うと、二人はそのまま本部に帰っていった。

 ハニィは、二人が見えなくなるまで大きく手を振り見送った。


「さてと......ユアを演じるとか、私には無理だよ♪ねぇユア......」

「そうね、私だってハニィを演じる事は無理ですよ♪私が死んだとき、魂を自分に移すなんてとんでも魔法使ったのは本当に忘れてませんから」

「にはは♪でも、こうやって一つの身体だけど2つの心を宿らせることができてるんだから良しとしてよ♪これが私達、CROSS☆CASTなんだし♪」

「ちがいないですね♪ハニィ、ありがとう。」

「......こっちこそ♪」


 二人は、交互に姿を変えながら話を交わしてた。

 それは、チーム愛の強さがわかる。大切なお互いの、信頼の言葉であった。


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