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人間はパンのみに生きる訳ではない。だがパンのみに生きる方が取るに足らない回り道をするよりも却って幸福だと最近は思ったりする。飯を食った。生きながらえた。それで充分ではないか。因みに俺が最も幸せを感じるのはお茶を飲んでいる時だ。小市民というなかれ。
俺は飲み食いする事以外には、文学にしか興味の無い人間だ。その文学ですら最近では本当に必要なのか怪しくなってきた。しかし何故だか捨てられない魅力がなお文学には認められる様な気がした。一方で、存在価値のはっきりしないものをすっぱりと捨てる事の出来ない自分の往生際の悪さに、少し嫌気がさしたりもした。であるが、その嫌気がさす程の執着にも何処か愛すべき点がある様な気がした。なぜなら「好きだ」と信じる事が好きだと言う事であるから。楽観的過ぎるだろうか。だが多分、俺は文学が好きなのだと思う。




