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何だか最近めっきり寒くなった。十一月なのだから、まあ当然だ。俺はコーヒーにウイスキーを入れて飲むのが好きだ。所謂アイリッシュコーヒーというやつで、非常に体が温まる。水筒に入れておけばいつでも暖かいまま飲める。これも一種の生活の知恵と言えよう。夏は家のミキサーでフローズンダイキリを作っていた。これも暑い夏にはたまらない。確かに季節は生活を彩る。この無為な生活にも、仄かな色彩が灯る。俺が酒を飲んだり研究したりしているのは、酒自体が好きというよりも、そういう彩りを求めての事なのであろうと思う。芸術家が大抵酒好きなのはその為ではないかと思う。実際、俺はそれほど酒が強くない。ビール一杯飲んだだけで真っ赤になってしまう。それでも自分で酒を作ったり、時にはバーに繰り出して様々な酒に挑戦するのは、やはり酒の世界にも芸術的な要素を認めるからである。レシピや作る人によって、味は勿論見た目まで変わる。作る人の拘りが作品に現れる。また素材によって季節を感じる事が出来る。そう言う点で酒が好きだ。お陰で今では行きつけの店のバーテンダーと酒の話をし始めると、夜中じゅう話が尽きないくらいにまでになった。飲み過ぎは医者に注意されているが、それはあまり気にかけない。長生きなどしたくない。
そうして見ると、酒も、食事も、人間も、あらゆるところにおいては芸術と見る事が出来る。嫌ってしまう前に、その人間の美しさや面白さを探してみてはどうだろう。今まで案外食わず嫌いをしてきた事に気付くのではないかと思うのだが。世の中の全てが芸術的である。
が、実際は嫌いな奴はどうしても嫌いである。絵にならない人間というのもいるものだ。




