第9話 遺跡守護者ガルディオン
《領域侵入を確認》
《侵入者:2》
《守護機構起動》
《敵対対象登録》
《遺跡守護者ガルディオン》
《排除処理開始》
「ガルディオン……?」
高さは四、五メートル。
巨大な武器。
分厚い石の身体。
「守護者ってことは――」
ドン!
「速っ!?」
巨大だから遅い。
その予想は一瞬で消えた。
武器が振り下ろされる。
「リク!」
エリスに突き飛ばされた。
直後。
床が砕ける。
「……」
破片が頬をかすめた。
「当たったらHPとか以前に死ぬだろ……!」
「下がって!」
エリスが前へ。
「《ファイアボール》!」
炎。
直撃。
「やった――」
煙。
ガルディオンの身体は少し黒くなっただけ。
「硬っ!」
「《フレイムランス》!」
炎の槍。
小さな亀裂。
ログ。
《火属性攻撃》
《ダメージ軽減》
《対象機能:正常》
「ほとんど効いてない」
仕様書。
「ちょ、待っ――」
攻撃。
閉じる。
避ける。
また開こうとする。
「仕様書読む時間くらいくれよ!」
「敵に言いなさいよ!」
ゲームなら時間を止めて装備を変えられる。
これは現実。
敵は待たない。
「右から薙ぎ払い……次、振り下ろし……」
怖い。
手が震える。
それでも見る。
三撃。
停止。
「エリス! 三回振ったあと止まる!」
「分かった!」
三撃。
「《フレイムランス》!」
命中。
「いける?」
「何十発撃てばいいのよ!」
正面から削るには時間がかかりすぎる。
「一旦出る!」
「賛成!」
入口へ走る。
ゴゴゴゴ……。
扉が閉じた。
《守護領域封鎖》
《侵入者排除完了まで解除不可》
「最悪……」
「ボス部屋じゃん」
「ボス部屋って何!?」
「今説明してる場合じゃない!」
エリスの息も乱れている。
「最悪、《エクスプロージョン》を使う」
「強い?」
「強い。でもこの距離だと、あなたも無事じゃ済まない」
「却下」
「私の台詞なんだけど!」
また逃げる。
ガルディオンの一撃。
俺は外周へ転がった。
顔を上げる。
周囲。
ガルディオン。
その瞬間。
「……ん?」
何かが引っかかった。
妙な既視感。
もう一度見る。
「……見たことあるぞ、この地形と敵……」




