その設定にする意味を考える
いろんな設定を考えるとき、皆さんはどのようにして考えているでしょうか。
通常は、書きたいものがあって、それに沿った設定をしていくと思います。これは当たり前のようですが、実際には「無駄な設定」というのが多く出てくるケースが結構あります。
例えば、伏線めいたことを序盤にいろいろ書いておきながら実際には関係なかったり、その場面以降出てこない登場人物がやたら詳しく書かれていたり、作ったはいいが全然話に絡まない能力やシステムがあったり、様々です。
いろいろと設定するのは、その設定が物語に必要だからです。実際の世界では自分の行動が必ずしもそのあとの人生に影響を与えるとは限りませんが、小説の世界では(ミスリードや何かの事情がない限りは)すべての設定が、物語に影響を及ぼすと考えてよいでしょう。
設定が無駄になりがちなものを挙げますと、
・登場人物(その場限りなのに描写が詳しい、役割がかぶっていて差別化できていない、物語の必要性がわからないなど)
・能力やパラメータ(重要な役割が持たれていない、なくても分かる、など)
・場所や登場人物の描写(ある程度描写は必要なものの、最初だけだったり印象が付きにくかったりであまり役に立っていない)
・事件やイベント(息抜きや外伝的な話ならともかく、そのイベント自体が物語に影響を及ぼさないなど)
・ゲームのルールやシステム(最初に設定だけ細かくしているものの、最後まで使わないなど)
・必要性がわからない視点変更(一人称小説で見かける)
・とりあえず立てた伏線(必ずしも伏線を回収しなければならない、というわけではないが、読者に違和感を与える)
といったものがあるでしょう。
特に最初に設定をずらずらと書きならべるような小説には、物語に使わない設定まで書いていることが多いのではないかと思います。そういうものは、必要な時に書けばいいことですし、書いた以上はどこかで使うべきでしょう。
この登場人物はどういう役割があるのか、この能力でどういうことをやるのか、その事件は今後どのようにつながるのか、このイベントがあったことにより、物語がどう進展するのか、あるいはこのルールやシステムはどんな影響があるのか。
設定自体は自分で行うものです。自分が作った以上、すべての設定を活かした物語を作るべきでしょう。