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「かっこいい文章」よりも「わかりやすい文章」

 毎日の暮らしの中で、私たちは多くのことを学び、多くの情報を取り入れます。特にインターネットが普及した現在では、探そうと思えばいくらでも情報を見つけることが出来ます。

 語彙力を増やす機会も、、学校の授業の中だけではありません。他の人との会話でも得られますし、マンガや雑誌、新聞、あるいはテレビなどでも新しい言葉を知ることが出来ます。


 次々に新しい言葉を知ることで、表現の幅が広がりますが、一方で「言葉の取捨選択」を迫られることになります。

 例えば絵を描く場合、小学生でも大体知っているメジャーな12色のクレヨンで描こうとしたら、「赤い色は赤」、「青い色は青」と、迷うことは無いでしょう。

 ところが、それが100色くらいまで広がった場合、同じ青でも赤みがかったものや緑色に近いものなどがあり、使う色によって様々な表現ができます。また、似たような色を少しずつ変えていくことでグラデーションにすることもできるでしょう。

 一方で、使う色によってはまったく印象が異なる場合がありますから、同じ絵でも人によって違う印象を持つようになるでしょう。


 文章でも同様に、同じ表現、似たような表現でも、文章によって随分と印象が変わってきます。

 よく知られる例としては「硬い文章」と「柔らかい文章」です。以前の話にもありましたが、「硬い文章」は評論や会社内での文章など、きっちりとした少し難しい表現を用いている文章です。「柔らかい文章」は、比較的簡単な表現を用いた表現です。

 例えば「売る」と書けば柔らかい表現になりますし、「販売する」と書けば硬い表現になります。これらを組み合わせることで、「柔らかい文章」や「硬い文章」になるわけです。


 しかし、新しいことを知ると人間すぐに使いたくなるものです。難しい言葉やかっこいい言葉を知ると、誰かに使いたくなる、ということはないでしょうか。

 とりわけ高校生くらいになるとその傾向が強く、小説でも少し難しい熟語やかっこいい単語をすぐに使いがちです。本来なら文章の流れや読者層、自分のスタイルなどを考慮して言葉を選ぶべきなのですが、そういったことを無視して使っている場合が多いのです。


 そもそも小説を読む人たちは、何を読みに来たのでしょうか。基本的には、文章というよりもその人の考えた話を読みに来ているはずです。なのに、かっこいい言葉を多用して表現したいことがそっちのけでは、まったく意味がありません。

 難しい単語を使いながら自分の考えていることを表現することは、実は容易ではありません。

 かっこいい言葉を並べるだけなら誰でもできます。まずは「わかりやすい文章」で読者にどんな世界観なのかを伝えることが先でしょう。

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