目的を考えて書くこと
小説を書く、といってもその目的は様々です。
趣味で書いたり、他の人に読んでもらうために書いたり、公募に応募するために書いたり、小説家を目指すために書いたり、いろいろあるでしょう。
また、生活習慣や書ける時間などによっても、執筆活動の態度や姿勢が変わってきます。
ただ、「何故その小説を書いているのか」という目的を考えていないと、読んでほしいのに読んでもらえなかったり、趣味で書いているのに余計ストレスがたまったりと、悪い方向に向かってしまいます。
ですから、少しは「何故その小説を書いているのか」という目的を意識して書いた方がよいでしょう。
何を目的としているかによって、何が一番大切なのか、ということが変わってきます。
【趣味や暇つぶしで書く場合】
インターネット小説発表の場が増えた今、「とりあえず書いてみよう」とか、「暇つぶしに書いてみよう」とか、そういう理由で小説を書き始める人もいるでしょう。
また、公募には興味ないけれど、文章を書くのが好き、という人も結構いると思います。
この場合、やはり一番は「自分が書きたいものを書きたいように書く」「楽しんで書く」ということが重要でしょう。
上達したいなら小説作法くらいは少し勉強した方がいいでしょうが、あまり難しく考えず、気軽に書きたいものを書きたいだけ書きたい時間に書く、といったスタイルにしたほうがよいです。そうしないと、ストレスが溜まってしまいますから。
【誰かに読んでもらうために書く場合】
基本的に趣味で書く場合とあまり変わりませんが、読んでもらう以上は、「読んでもらう文章」にしなければなりません。
小説作法もそうですが、読んでもらう人がいる、ということを意識して、自分で読んで読みやすいかどうかを確認するようにしましょう。
もちろん、読む人は細かいところまで気にはしないでしょうし、基本的には自由に書いた方がよいでしょう。ただ、連載作品の場合は、最後まで書くことや、更新間隔をあまり長くしないようにすることなどには注意しましょう。
とにかく、読者の視点に立つことが重要です。
【公募を目指す場合】
身内のコンテストならともかく、出版社の公募に出すなら、「商品になること」を前提に書き進める必要があります。
基本的には、入賞した作品は書籍化を目指すはずですので、「お金を出して読みたい文章」を作る必要があります。
そのためには、小説作法はもちろんのこと、出版社の出版傾向や応募条件(テーマ、字数制限、締切など)なども注意しなければなりません。
テーマが決まっているものがほとんどですし、商業用となると、売れる作品の傾向を読む必要も出てきますから、必然的に書ける範囲が狭まってきます。また、締切があるので、のんびり書いている時間もありません。
趣味や投稿サイトに投稿するのとは違い、いろいろと制約が付きまといます。
【将来の職業に役立てようと思う場合】
書くこともそうですが、とにかく「読む」ということもおろそかにできません。いろんな作品を読むことで、「売れている文章がどういうものか」を勉強し、参考にできるところは参考にし、自分の物にしていく必要があります。
自分の知識だけでは、上達に限界があります。今まで経験したことの無いようなことにチャレンジしたり、いろんな人と付き合ったりする必要もあるでしょう。
当然、楽しみながら書きたい時に書き、公募に出せるようなクオリティを目指してばっちり勉強できるならそれに越したことはありません。
しかし、現実的にすべてこなすことは困難です。まずは「何のために書いているのか」ということを一度振り返り、どんな方針でいけばその目的を達成できるのか、ということを考えてみましょう。