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なろう小説の主人公には「天才」が多すぎる?

 なろう作品をぼちぼち読み始めた時に思ったことですが、異世界物のファンタジーの場合、主人公が普通の人間のはずなのに、やたら「天才」が多い気がしました。

 もちろん、現世界で言う「天才」とは意味が違っており、「悪い意味で」と言うことです。

 具体的にはこんな感じです。


・知りもしない世界に順応するのが早すぎる


 一番多いパターンです。「小説家になろう」の異世界物を読むと高確率で当たると思います。

 本来ならもっと慌てふためいたり、失敗したり、たびたび失礼なことをするはずなのに、特に何の前触れもなくその世界に順応し、何カ月も過ごしたかのようにふるまっている。

 あまりにもその世界に慣れないのも物語の進行に支障を来たしますが、「普通の人間」があまりにその世界に慣れるのが早いと「全然普通じゃないじゃん!」と思ってしまいます。


・少なすぎる情報からの状況把握力がすごい


 一人称小説で多いのですが、与えられている情報量の割に周囲の状況を把握しすぎているパターンです。

 ちょっと勘がいい主人公、とかなら少しはわかるのですが、大体それでも、読者を置いていく勢いで現在の状況を解説しだす姿はもはや超能力者としか思えなくなります。


・相手の感情を読み取るのが得意すぎる


 魅力的な主人公というのは、相手の気持ちを考えて行動するものです。しかし、それでも読者に与えられた情報量から考えても、「そこからここまで読み取れるのか?」と思える場面がたまに見受けられます。彼らの前世はテレパシーでも使えたのでしょうか。


・使ったこともない能力をあっさり使いこなす


 現実世界では才能が無くとも、異世界で使える能力の才能はある、という登場人物は数多くいるでしょう。それでも、最初の頃は使うのに慣れなかったり、最初からある程度使えてもいざ戦闘や実践となると不安になるものです。

 しかし、彼らはどういうわけかものすごく短時間でそれらの能力を使いこなし、いきなり実践投入されても大して驚かずに使っています。現実世界にいた時にひっそり練習でもしていたのでしょうか。


 他にも、いろいろ読んでみるとまだ出てくると思いますが、何故か異世界に入った瞬間、このような才能を発揮する主人公が多いのです。

 では、なぜこんなことが起こってしまうのでしょうか。


 小説の中では、作者はどんな舞台でもどんな登場人物でも作れ、どんな事件でも起こし、どんな解決策でも生み出す「神様」です。「神様」は登場人物を好きなように操り、すべての事情を知っており、物事を好きなようにつくりかえることができます。

 一方、登場人物はそんな「神様」が、「神様」が作った舞台の上で過ごす一つの存在でしかないはずです。それなのに、登場人物がその「神様」の知識を持ってしまっているために、「天才」になってしまうのです。

 本来なら登場人物の立場になって話を進めなければならないのに、自分の考えを物語に反映させてしまっているわけです。

 自分が知らない場所に行ったらどんな気持ちになるのか。そんなに簡単に順応できるのか。登場人物の立場に立ってみれば、そんなことない、ということが簡単にわかるはずです。


 登場人物には、それぞれ相応の役割があります。中には本当に「天才」と言われる登場人物が出てくることもあるでしょうが、意図していない「天才」は読者に違和感を覚えさせます。

 そんな登場人物を産み出さないためにも、登場人物の立場に立った話作りをする必要があるでしょう。

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