作品の「幹」と「枝葉」
某フォロワーさんと小説の話をしていた時の事。プロットの事でいろいろ指摘をしたりされたりしていたのですが、その時に出たのが、「その指摘は重要なことなのか」ということです。
一つの話の中には、話の中心となる部分と、そこから派生する話、さらにそこから派生する話……という風に、考えていくと延々と話ができていきます。
同じように、設定も凝りだすと延々細かいところを設定することができます。
そこで重要なのが、「何が一番大切なのか」ということです。
物語を木に例えると、中心となる話が「幹」、そこから派生する話が「枝」、さらにそこから派生する話が「葉」……となります。
一番大切なのはもちろん「幹」です。幹がなければ枝も葉も生えません。
つまり、「話の中心となる部分」はしっかり設定し、話を通していかなければならないのです。
創作ですから、物語の進行に置いては、若干の矛盾が生じることがあるでしょう。もちろん矛盾なく書ければそれがいちばんいいのですが、なかなかそうはいきません。
ただ、最低限でも、「物語の軸となる話」の流れに関しては、話の整合性があるようにしなければなりません。でなければ、読者は明らかな矛盾に頭を抱えることになるでしょう。
設定も同様で、「物語の軸となる部分」の設定だけはしっかりしておかないと、そこがしっかりしてなかったり、後からぶれたりすると話が破たんしてしまう恐れがあります。
話がなかなか進まない人の特徴の一つに、「設定の凝りすぎ」というのがあります。大切なのは物語を進める上で重要な設定なのに、あんまり関係ないような設定を凝りすぎて、話がぶれてしまうというパターンです。
読者にとっても、「今どの設定・知識が必要なのか」が明確でないと、今読んでいる話が分からなくなってしまいます。後に必要となる知識は、(伏線や最初に説明する必要がある事柄以外は)必要な時に説明すればいいのです。
プロットを作る際も、まず一通りの話を作り、そこから細かい設定を肉付けしていく、というやり方をしていくとよいでしょう。
推敲する時も同じで、まずは「全体の話の整合性が取れているか」ということを重点的に見ていくとよいでしょう。他の設定は、その後付け加えるなり、本筋に合わせるなりすればよいのです。
小説で読者に伝えたいことはどこか、つまり「幹」はどれか。これを意識するだけでも、話の作り方が格段に違ってきます。
それは、読者に何を伝えたいか、と言うことにもつながるのです。