意見やアイデアの取捨選択
小説を組む際、プロットを書く人もいれば書かない人もいると思いますが、どちらにしろ頭の中である程度アイデアをまとめ、話の流れを作っているのではないかと思います。
プロット段階では簡単な流れを作っても、いざ書く時になると、あれこれとアイデアが思い浮かび、どんどんと入れたくなってしまうものです。
また、アイデアを入れると、それに関しての描写や解説が必要になることもあるので、全体的に文章がどんどんと長くなっていきますし、一シーンで必要になる文字数も増えていきます。
長編ならば、使い切れないアイデアを後回しにしたり、とりあえず組み込んで後からそれを活かした話を作る、というやり方は出来るでしょう。
しかし、短編でやろうとすると、詰め込んだアイデアが活かしきれないことが多くなります。ましてや字数制限がある場合、どうしても長くなって収まり切れなくなることがあるでしょう。
説明の優先順位の回でも書きましたが、ここでも「アイデア・設定の優先順位」というものを付けなければなりません。まずは、この話に無ければ困るアイデアや設定を抽出し、そこから付随するアイデアを少しずつ追加していくとよいでしょう。
文字数制限がある場合、必要なアイデアだけまずは入れていき、徐々に重要度の低いアイデアや設定を入れていくと、不必要なものを入れなくて済むでしょう。
この取捨選択を誤ると、必要ない情報まで読者に与えてしまい、読み終わった後に「結局あの設定はなんだったんだ」というようなもやもや感を与えてしまいます。逆に、そういったアイデアばかり入れてしまい、説明不足になってしまうこともあります。
また、ネット小説では感想をもらえることもあり、いろんな指摘をしてくれる人もいます。出版する場合、編集者の指摘がたくさん入ることがあるでしょう。
ここでも、「その指摘は修正する必要があるのか」ということを考えなければなりません。プロの編集者であっても、作家の意図を完全に読み取っているわけではありませんから、もしかしたら意図に沿わない指摘もあるかもしれません。そこで何も考えずに全部を指摘された通りにしてしまうと、それは自分の作品からかけ離れたものになるかもしれません。
ましてや感想なんて、出版経験も公募経験も無い人が書いているかもしれませんし、本をあまり読まない人が書いているかもしれません。そんな人たちが書いた意見を鵜呑みにするのは危険です。その指摘が正しいことであるのか、書きたいことの意図と一致しているかを考えた上で修正するべきでしょう。
ほかにも、調べ物をしている時に、ネットで調べる場合も注意が必要です。個人サイトだと、いい加減なことを書いていたり、勘違いで書いていたりすることがありますし、他のサイトと書いていることが違っていることもあります。ここでも、情報の取捨選択が必要となってきます。
自分で考えたことも、相手から受けた指摘も、それを取り入れるかどうか決めるのは自分次第です。
与えられた情報を鵜呑みにすることなく、きちんと自分で判断することが、よりよい作品を作るためには必要なのです。