「関連性」「統一性」を意識してみる
登場人物や場所の名前を付けるとき、どのような決め方をしているでしょうか。
思いついた言葉を名前に使ったり、知っている人の名前をもじったり、近所の地名から作ったり、あるいは辞書を片手にわが子の名前を付けるように真剣に考える人もいるかもしれません。
登場人物は自分の分身、地名は自分の脳内の投影とも言えますから、しっかり考えたいところです。
名前を考えるに当たっては特別何も考えない人が多いと思いますが、マンガや小説を読んでいると、ある程度「関連性」や「統一性」をつけている漫画家さんや作家さんも結構多いことが分かります。
例えば、「苗字を数字に入れる」とか、「三文字で統一する」とか、「どこかの地方の地名を名前に組み込む」とかいった具合です。
このように、地名にも名前にも、その話に沿った関連性、あるいは何らかの法則性をつけておくと、読者も「名前で楽しむ」ことができますし、何より何のヒントもなしに名前を付けるよりも、名付けやすいことが多いと思います。
私も名前は結構思いついた言葉から適当に作ったりするタイプですが、例えば「My Possessed Day~彼女に取り憑かれた日」であれば「天体関係(特に夏の大三角形に関連する)」から名前を付けていますし、「デートインザドリーム」では知り合いの名前を借りていることが多いです。
地名に関しても、何らかの意味を持たせると、「そこがどんなところか」ということをイメージしやすいのではないかと思います。例えば「花の都フィオーレ」とか(「フィオーレ」はイタリア語で「花」という意味)といった感じです。
外国語を使う場合は、辞書があると便利です。私は「ネーミング辞典」を重宝して使っています。
サブタイトルも、ほとんどは次の話に関連したものがつけられるでしょうが、ある程度法則性があると、その作品らしさが出るのではないでしょうか。例えば「二文字の漢字で表す」とか、「~しました!」で統一するとか、作中のセリフをサブタイトルにするとか、そんな感じで。
私はそういう点では結構こだわりがあります。「My Possessed Day~彼女に取り憑かれた日~」「My Lost Day~彼女がいなくなった日~」では「二つ(二人/二度目)の○○」で統一していますし、「デートインザストーリー」では、「デートインザ○○」で統一しています。現在連載中の「未来読書感想文」では「~のこと」という形で統一しています。
案外困る名前やタイトルづけ。人間は完全に自由にするよりも、ある程度制限された方が、取り組みやすいものです。
今まで「統一性」や「関連性」を考えずに名前を付けていた人は、一度自分で「こういう関連で名前を付けよう」と言う風にルールを決めてみましょう。思いのほか名づけがはかどるかもしれません。