いると便利な登場人物
登場人物では、主人公やヒロイン、あるいは敵キャラといったものに力を入れやすいのですが、サブキャラクターも物語を進める上では重要な役割があり、手を抜くことができないものです。
基本的にサブキャラクターは、主人公の手助けをしたり、主人公の足りないところを補ったり、逆に邪魔をしたりと、物語の隠し味やスパイス的な役割をします。
多くの物語の場合、主人公一人で解決できないことはたくさんあります。そこでサブキャラクターの手を借りるわけですが、「こういうときにこういう登場人物がいれば……」という場面は多々あると思います。
そういった登場人物を序盤に出しておけば、その登場人物を使って解決するエピソードがいろいろと作れるわけです。
どんな登場人物がいたら便利か。考えてみました。
・お金持ち
実家がお金持ちだったり、自分が大きな会社の社長だったり、会社の令嬢だったり。
何をするにも資金は必要で、金銭的な問題で動けない場面も沢山出てきます。そういった場合に援助ができる登場人物がいれば、そんな問題もすぐに解決できます。
また、例えば距離が遠かったり交通網が無かったりで、普通では行けないような場所に行きたい場合に、金持ちの特権を利用してプライベートなヘリコプターやジェット機などを準備させることもできますし、広い場所が必要な時に私有地を提供することもできます。
長編小説では、いろんなところにお金がかかることが予想されますので、早い段階で出しておくと後後便利ではないかと思います。
・いろんなアイテムを作る発明家
話を進めるうえで、何かを突破する際に必要なアイテムが出てくることがあると思います。
そういうときに、いろんなアイテムを作ってくれる人がいれば、難しい問題も解決できるでしょう。
また、「アイテムを作るのに材料が必要」ということで材料探しをするエピソードもできますし、アイテムを作るための条件を突き付けて、それをクリアするエピソードも作ることができます。冒険ものだと、鍛冶屋がそれに当たりますね。
ほかにも、道具を調達してくれるお店だったり、情報を調達してくれる情報やだったり、そういった「物」や「情報」を提供してくれる存在は、物語中でもキーパーソンとして働いてくれることがよくあります。
・幅広い人脈を持つ人
人と人とのつながり、というのは、現実でも物語中でも大切なことです。
登場人物の中には、人とつながりを持ちたくない人や、人とつながることを諦めた人もいるでしょう。しかし、そんな時でも、この人だけは頼れる、という人がいるのではないでしょうか。
人脈が広い人と言うのは、その人自身に特別な能力があったり、何か得意なことがあったり、すごいイケメンだったりするわけではないですが、世話好きだったり、相談に必死に乗ってくれたり、他人に対する行動力がすごかったりと、何かしら性格や行動に魅力があって魅かれる部分があるものです。
そういう人が味方にいてくれると、困った時に「この人に頼めばいいのでは」と、問題を解決してくれる人を紹介することができ、その人に会いに行く、というエピソードを作ることができます。
・異世界と現世界のパイプ役
知らない土地、特に異世界など、未知の世界に飛び込んだ主人公や登場人物には、何かと不安が付きまとうものです。
そんな時に、その世界と主人公が知っている世界両方知っている人がいると、主人公の心強い味方となってくれるでしょう。
異世界に飛んでしまった登場人物にとって不安なのは、「話が通じないこと(言語的な問題ではなくて)」です。そんな時に話が通じる相手がいれば、安心していろんな行動を起こせます。
何故両方の世界を知っているのかという理由が必要になりますから、なかなかそういう人物を作るのは難しいですが、やはりいてくれると助かるのではないでしょうか。
・主人公と他の登場人物とのパイプ役
一番多いのは、主人公と、主人公が恋しているヒロインとのパイプ役でしょう。
主人公と他の登場人物、両方の気持ちを知っている、両方のやりたいことを知っている人物で、ほとんどは共通する友人やクラスメイトではないかと思います。
両方のことを知っていることで相談に乗りやすいですし、お互いの情報を伝えやすくなります。
場合によっては、主人公と敵対する相手とのパイプ役として登場して、お互いの意思を伝える、という役割を持たせることもできます。敵でも味方でもない存在、というのも、冒険ものでは重宝するのではないでしょうか。
サブキャラクターは、物語の進行をスムーズにするための潤滑油となる存在です。
もちろんすべて出す必要はありませんが、物語の進行に合わせて、必要な存在を把握し、適切な登場人物を出すことが重要となります。
ただ、問題を解決するのに、上記に挙げたようなキャラクター頼りだと、先が読めて面白くなくなる可能性があります。ですから、何らかの事情を作ってサブキャラクターを退場させ、「あの人がいないから解決できない!」といったようなピンチな場面を混ぜるとよいと思います。