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俺は皇帝を辞めました~皇帝を辞めた俺は欲望のまま気の向くまま女とヤリながら生きていきます~  作者: エデンの園の魔界蛇


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62 肖像画を残すことにしてみた



 ノールの町を出て俺はセラフ法王国の王都のセラートを目指して歩く。

 リズからもらった地図を見るとセラートに着く前にラーシエルという町があるらしい。


 とりあえず今日はラーシエルまで行ければいいだろう。

 道なりに歩いていると道の両側には草原が広がり遠くには山々が見える。



 綺麗な景色だなあ。



 美しい景色を見ながら歩いていると道端で女が座り紙に景色を見ながらペンのような物で何かを書いている。



 何をしてるんだろう。



 気になった俺はその女に近付いてみた。

 その女は俺に背を向けているので俺が近付いても気付かない。


 女は金髪の長い髪をしている。

 そっと女の後ろから女が持っている紙を見た。

 そこには目の前の美しい景色が描かれている。



 この女は画家なのかな。



「はぁ、景色は得意なんだけどなぁ……」



 俺の存在に気付かない女は溜息をつきながら独り言を呟く。



「お姉さん!」


「きゃあっ!」



 後ろから声をかけた俺に驚いて悲鳴を上げた女が振り向いた。

 金髪に瞳は明るい緑だ。

 顔立ちは美人で年齢は20代前半くらいだろう。



「絵を描いていたんですか? お姉さんの絵って上手いですね」



 ニコリと笑顔で俺がその女に言うと女は緑の瞳を見開いて俺を見つめる。



 なんだろう? どうかしたのかな。



 次の瞬間女は俺の腕をガシッと掴んだ。



「見つけたわ!」


「え?」


「ねえ! あなた! 私が絵を描くのに協力してくれない!?」


「え? 協力?」


「私は今画家になる勉強中なの! でも風景画は得意でも人物画が苦手で…だから絵の師匠からも人物画をもっと勉強しなさいって言われてるのよ」



 へえ、この女は画家になるのを目指してるのか。

 確かにこの風景画は上手いしな。



「俺のことを描くってこと?」


「そうよ! あなたみたいな美しい人間を描いてそれを細かく描写できれば私の腕も上がるはず。どうか、お願いします!」



 女が俺にお願いしてくるが女は俺の腕を強く掴んでいてまるで逃がすつもりはないという感じだ。



 う~ん、俺は今まで肖像画を誰かに描いてもらったことないんだよなあ。

 でも、ここは西大陸だし俺は皇帝を辞めたんだから別にいいか。



 ジルヴァニカ帝国の皇帝は生涯において肖像画を残すことはない。

 皇帝を神格化するための意味もあり俺の肖像画は存在せず公の場で薄い布で顔を隠す皇帝の素顔を知る者は僅かだ。

 素顔を知る者が勝手に皇帝の顔を描いたりしたら厳しい処罰がある。

 だけど俺は皇帝を辞めたのだから別に俺の顔を描いた物があってもかまわないだろう。

 それに俺を描くことでこの女が画家としての腕が上がるというなら協力してあげてもいい。



「いいですよ。俺は旅人のハリーって言いますけどお姉さんは?」


「ああ、やだ私ったら自己紹介してなかったわね。私の名前はサティンよ」



 サティンはニコリと笑みを浮かべる。



「そうと決まったら私の家に来て。ハリーさん」


「俺はハリーでいいですよ。サティンさんの家はどこですか?」


「私の家はラーシエルにあるの。あそこに見えるでしょ? 私のこともサティンって呼んでいいわ」



 サティンが指さした方角には確かに町が見える。



 あそこがラーシエルなのか。



「じゃあ、行きましょう! ハリー」


「ええ、サティン」



 俺とサティンはラーシエルの町に向かった。






 その頃、ノールの町医者の所ではローゼン将軍が医者の診察を受けていた。



「寝不足で船に乗ったら船酔いするのは当たり前じゃろう」


「す、すみません。人を探してあまり寝てなかったので……」



 そこへ病院の入り口の扉が開く。

 入って来たのは金髪ですみれ色の瞳の女だった。



「こんにちは。今日の分の薬をお持ちしました」


「おお、リズさんか。ありがとうな。ほれ、この薬を飲めばすぐに回復するぞ」



 ローゼン将軍は素直に医者が差し出した薬を飲んだ。



「そちらの方は船酔いなのですか?」



 薬を持ってきたリズという女が医者に尋ねる。



「そうじゃ。何でも人探しで寝不足で定期船に乗ったらしい」


「まあ、そうなんですか。それで探し人は見つかったんですか?」



 今度はローゼン将軍に訊いてきた。



「あ、いや、それがまだ。黒髪に黒い瞳の18歳くらいの若い美しい男を探しているんだが……」


「え? それって…名前はハリーさんとか?」


「っ!? ハリーを知ってるのか!?」」



 ローゼン将軍は驚いて大声を出す。



「は、はい……」


「ハリーは今どこに!?」


「え、えっと…セラートに行くって言ってこの町を出たと思いますが…」


「そ、そうか! セラートだな! お医者殿、お世話になりました! 私はハリーの後を追わないとなので失礼する」



 慌ててローゼン将軍は医者にお礼を言って治療費を払い病院から出る。



「陛下。絶対に見つけ出しますからな!」



 ローゼン将軍はセラフ法王国の王都セラートに向けて出発をした。




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