56 セラフ法王国のことを訊いてみた
俺はサマンサの船室で食事をしていた。
さすが貴族室に乗る貴人の食事は船の中とは思えないぐらい豪華だ。
「お口に合いますか? ハリーさん」
「ええ、とてもおいしいです。あ、俺のことはハリーって呼んでください」
「そうですか。私のこともサマンサとお呼びください」
サマンサはニコリと笑顔を俺に向ける。
「そういえばセラフ法王国についてハリーはどの程度ご存じ?」
「え~と……」
俺は以前教わったセラフ法王国についての知識を思い出す。
「国民はセラフ信教の信徒ということと法王のいる王都はセラートという名前ということは知っています」
「そうですか。確かに法王様は王都のセラートにいらっしゃいます。現在の法王様の名前はご存じですか?」
「いえ、知りません。確か法王は血筋や家柄ではなく先代の法王が次代の法王を選ぶってのは聞いてますが……」
ラッセンド宰相からはセラフ法王国には王家というものはないと聞いていた。
どういう基準で選ぶかは分からないが次代の法王は先代の法王が指名するので代替わりの直前まで後継者が分からない国だと。
大陸最古の歴史を誇るジルヴァニカ帝国の皇帝家は脈々と皇帝の血筋を受け継いで来たので理解しにくいがセラフ法王国ではあまり血筋に拘ることはないらしい。
ドルデン皇帝もセラフ法王国には貴族制度はないと言っていたし。
「現在の法王様はエリク4世法王様ですわ。年齢は30代だと聞いてます。今から5年前に法王様になられたばかりだとか」
へえ、意外と若い法王なんだね。
「エリク4世法王様が国のトップでその下には法王様の手足となりセラフ信教の教えを説く「信教師」という方々がいます」
「信教師ですか?」
「ええ。信教師は男でも女でもなれますが法王には男じゃないとなれませんわ」
「そうなんですか」
男じゃないと法王にはなれないのか。
ジルヴァニカ帝国の皇帝は条件はあるけど女帝も認められているのになあ。
「男じゃないと法王になれない理由があるんですか?」
「私が聞いた話ではセラフ信教の神が女神だから法王は男が選ばれると聞きましたわ」
セラフ信教の神様って女神様なのか。
「それに各町や村には必ずセラフ信教の教会があります。あと王都のセラートにはセラフ大教会があるんです。もしセラートに行くならぜひセラフ大教会には行った方がいいですわ」
「なぜですか?」
「歴史のある建造物でセラフ法王国で一番美しい建物だと言われてるんですの」
一番美しい建物かあ。
それなら見てみたいなあ。
「それならぜひその美しいセラフ大教会を見てみたいです」
「ええ。ぜひ行かれることをおすすめしますわ」
「でも今はサマンサの美しさに惹かれるけど」
俺がサマンサの瞳を見つめながら笑顔でそう言うとサマンサの頬が赤く染まる。
「わ、私よりもハリーさんの方が美しい殿方だと思いますわ!」
「ありがとう。サマンサ。顔が赤いけど大丈夫?」
「っ!ちょ、ちょっと、船酔いしただけですわ!」
「それは大変だ。ベッドに横になった方がいいよ。サマンサ♡」
甘い声でサマンサの名前を呼ぶとさらにサマンサは顔を赤くする。
「俺がサマンサをベッドに運んであげるから」
「え?」
俺は自分の席から立ち上がりサマンサに近付いて椅子に座っていたサマンサの身体を抱き上げた。
「きゃ!」
「船酔いの時は横になった方がいいらしいよ」
そのまま部屋の奥にあるベッドにサマンサを運び寝かせた。
「あ、あの!」
「う~ん、俺も船酔いしたかも。サマンサのベッドに寝かせて」
「え?…んむぅ!?」
俺はベッドの上のサマンサに覆い被さりながらサマンサに口づけをした。
サマンサも自分から舌を絡めてくる。
「あふぅ…うぅん! ふぁ…ふぅん!」
「船酔いの時は締め付ける服は脱いだ方がいいからね。脱がすよ、サマンサ」
俺の言葉にコクリとサマンサは頷いた。
「サマンサの胸は綺麗だね。いただきま~す♡」
「ま、まって! あんっ! そんな吸っちゃ…やん! わ、わたし…しばらくぶりで…」
「大丈夫、俺に任せて。サマンサがしばらくぶりでも満足するまでちゃんと最後までしてあげるから♡」
俺はサマンサに甘く囁く。
サマンサの瞳に欲情の炎が宿ったのを俺は見た。




