140 他のエシアの民に会ってみた
「もうすぐオアシスに着くから頑張ってね、ハリー」
「うん。分かったよ、ラティファ」
俺は赤馬に乗りながらラティファに答える。
夜の砂漠に逃げた俺の赤馬をラティファが捕まえておいてくれたので俺は赤馬に乗って移動することができた。
ラティファから水と餌をもらった赤馬は元気に砂漠を歩いてくれる。
日の出近くまでラティファに精を搾り取られた俺はさすがに疲れて眠りについた。
だがお昼前にはラティファに起こされてヘルドラドの町を目指して出発したのだ。
ラティファに借りた布で砂漠の日差しから身体を守っているがやはり暑い。
ヘルドラドに着いたらちゃんとした服を買わないとな。
食料や地図も必要だし。
体力も回復したし助けてくれたラティファに感謝しないと。
ラティファに精を搾り取られた俺だったが一眠りしたらスッカリ体力が回復していた。
それどころかあれだけラティファとヤッたのにまだヤリ足りない気分なのが不思議だ。
う~ん、エシアの民は性欲が強いと聞いたけど俺も負けないぐらい性欲が強いんだな。
自分ではあまり自覚なかったけど。
ヘルドラドに行く前に水を補給するためにラティファがオアシスに寄ると言ったので今はそのオアシスに向けて歩いていた。
「あ、あそこがオアシスよ、ハリー」
ラティファが前方を指差したのでそちらを見てみると小さなオアシスがある。
周囲に町などはなくただポツンと泉がありその周辺だけが僅かに植物が生えていた。
近付いて行くと泉の畔にラティファが使っているテントと同じようなテントが二つあるのが確認できる。
誰か、先客がいるのかな?
「あら、あのテントはファルルとマルルだわ。二人に会うのは久しぶりねえ」
ファルルとマルル?
ラティファの知り合いなのかな?
「ラティファの知り合いなの?」
「ええ、そうよ。私と同じエシアの民のファルルとマルルのテントだわ」
ラティファの知り合いなら危険な人物じゃないか。
タファールの町で俺を襲った奴らが再び俺を襲ってくる可能性は常に考えておかないといけない。
だがエシアの民に恨みを買うようなことはしてないのでそのファルルとマルルが俺を襲うことはないだろう。
オアシスに到着すると二つのテントから女が一人ずつ出てきた。
そしてこちらに気付くと女たちがラティファに手を振る。
「ラティファじゃない! 久しぶり」
「あら、本当にラティファだわ。元気だった?」
「久しぶりね、ファルル、マルル。私は元気よ。貴女たちは元気だった?」
二人の女が俺とラティファの近くに来てその顔を見て俺は驚いた。
黒髪に赤い瞳。ラティファより少し年下に見えるがその身体は胸も大きくお尻も大きくて大人の女の魅力に溢れている。
そして顔がそっくり。鏡で映したように同じ顔だ。
違いがあるとすれば二人が首からかけている首飾りが一人は青い石がついていてもう一人は赤い石がついているぐらい。
この二人ってもしかして双子なのか?
「ええ、もちろん元気よ。ね、マルル」
「そうね、元気いっぱいよ。ね、ファルル」
会話から推測すると青い石の首飾りをしている方がファルルで赤い石の首飾りの方がマルルのようだ。
すると二人はラティファの少し後ろにいた俺に気付いて視線をこちらに向ける。
『まあ! なんて素敵な男なの!』
ファルルとマルルの言葉が重なった。
「この殿方は誰? ラティファ!」
「まさかラティファの恋人!?」
二人が俺の両側から挟むようにズイッと身体を寄せてくる。
「わわ!」
俺は思わず身体を仰け反らせた。
ファルルもマルルも興味津々の瞳で俺を見る。
「フフ、違うわよ。エシアの民の私が恋人を持つ訳ないでしょ。彼はハリー。ハリー、彼女たちは双子で私の妹分たちよ。こっちがファルルでこっちがマルル」
『よろしく! ハリー!』
再び、ファルルとマルルの声が重なった。
「よ、よろしく。ファルルさん、マルルさん」
ラティファよりは年下に見えても俺よりは年上だろうから二人には丁寧に答える。
やっぱり双子だったのか。
本当にそっくりだな。
「私はファルルって呼んで」
「私はマルルでいいわ」
「分かりました。ファルル、マルル」
俺が笑みを浮かべて二人の名前を呼ぶと二人は頬をポッと赤くした。
「そ、それで、ラティファは何でハリーと一緒にいるの?」
ファルルがラティファに尋ねるとラティファは魅惑的な笑みを浮かべる。
「エシアの民が男と一緒にいる理由なんて一つでしょ。彼から子種をもらったのよん!」
「ええ!? ハリーって『子種持ち』なの!?」
「うわあ、羨ましい! 私も『子種持ち』の男欲しいぃーっ!!」
双子は悔しそうな表情でラティファを見つめる。
子種持ち? 男は皆、子種を持ってるんじゃないのかな?
俺だけが子種を持ってる訳じゃないと思うけど。




