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俺は皇帝を辞めました~皇帝を辞めた俺は欲望のまま気の向くまま女とヤリながら生きていきます~  作者: リラックス夢土


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134 夜の砂漠に逃げてみた



「そろそろ帰るよ、マルシア」


「分かったわ。気を付けて帰ってね。この辺は治安が良くないから」


「うん。分かった」



 俺はマルシアのお店を出た。



 さて、宿に帰って寝ようっと。



 お酒は飲んだが俺はお酒に強いので特に足元がふらついたりしない。

 すると近くにあった『踊り子の天国』のお店から男が出て来て俺の方を見た。



「おや? ハリー殿じゃないですかぁ!」



 その男は警備隊長のラザック隊長だった。



「ラザック隊長。どうしてここにいるんですか?」


「いやあ、警備を副隊長と交代したので私も『踊り子の天国』でショーを観ていたんですよ。この町に来て踊り子のショーを観ないのはもったいないと思いましてな」



 ラザック隊長はお酒も入っているのか陽気な笑顔だ。



 う~ん、警備を交代して時間ができたから飲みの来たのか。

 でもルイーフ王子が宿から移動しないと分かってても警備隊長がお酒を飲んでも大丈夫なのかな。



「ハリー殿もどこかのお店で踊り子のショーを観ていたんですか?」


「ええ、とても楽しいおもてなしも受けられて最高でした」



 『踊り子の天国』でのショーは観れなかったけどマルシアと一緒に淫らな踊りを踊れた俺は大満足をしていた。



「そうですか。私もそろそろ宿に帰るので一緒に帰りませんか?」


「いいですよ、ラザック隊長」



 俺とラザック隊長は一緒に宿に帰ろうと歩き出す。

 すると突然俺たちの前に黒い服の覆面をした男たちが現れその手には剣が握られている。


 俺は一瞬で酔いも覚める。

 ラザック隊長も自分の腰の剣に手をかけて鋭い声を男たちに発した。



「何者だ!」



 そして黒い服の男たちの少し後ろにいた覆面で顔が分からないが月明かりで見えた赤い瞳をしている男が低い声を出す。



れ」



 それを合図に男たちが俺とラザック隊長に襲いかかってきた。

 俺は自分の剣を抜き男たちが繰り出してくる剣を受け流し弾き返す。



 キンッ! キンッ!



 鋭い金属音が夜の街に響いた。

 ラザック隊長も自分の剣を抜いて応戦している。


 俺は冷静に男たちの動きを読む。

 すると黒服の男たちには無駄な動きがなく俺が反撃すると身軽に剣を避けてすぐにまた攻撃をしてくる。



 こいつらはただのごろつきたちじゃない。

 特別に訓練された男たちだ。



 それによく見るとラザック隊長よりも俺の方に狙いを定めて攻撃しているのが分かった。

 理由は分からないがこの黒服の男たちの狙いは俺のようだ。


 これほど腕の立つ奴らを複数相手するのは天才的剣術の持ち主と言われる俺でも不利だ。

 奴らの狙いが俺だとするならラザック隊長をこの場から逃がした方がいい。


 ここでラザック隊長が死んだらルイーフ王子の一行がイデンに行くことを中止するかもしれない。

 大事な交渉の場に遅刻したり勝手に交渉を中止したら今後またゾーマ帝国と交渉する機会があってもハルファ王国が不利益を被るだろう。


 国と国の約束はそう簡単に破ることはできないことは皇帝の俺は身をもって知っている。

 だが俺は今は皇帝としてここにいる訳ではない。護衛の一人が消えたとしてもルイーフ王子の一行はイデンに出発できるだろう。



「くっ! 何なんだ、こいつらは!」



 俺はラザック隊長と背中合わせになりながら黒服の男たちに対峙する。



「ラザック隊長。こいつらの狙いは俺です。だからこの場から逃げれば奴らは必ず俺を追って来ます。その隙にラザック隊長は宿まで戻ってください」



 俺は小さな声でラザック隊長に囁く。



「し、しかし……」


「ラザック隊長。俺はただの雇われの護衛です。しかしあなたは警備隊長です。ルイーフ王子がイデンに予定通りに着くことができなかったらさらにゾーマ帝国と揉めることになります。そのことは分かりますよね?」


「…分かった。だがハリー殿。絶対に死なないでください」


「ええ。逃げ延びたら俺もイデンに向かいますから」


「…承知した」


「では3つ数えたら俺はあっちの方に逃げますのでラザック隊長は宿の方へ逃げてください」



 ラザック隊長は無言で頷く。



「1、2、3!」



 数を数えて俺は黒服の男の一人に襲いかかりその男が俺の剣を避けて僅かにできた隙間から男たちの包囲網を抜けて走り出した。

 ラザック隊長は反対方向に逃げる。



「標的の方を追え!」



 赤い瞳の男の鋭い声が響き男たちは予想した通りに俺を追ってくる。

 俺は足は速いが男たちの足も速い。



 なんとか逃げ切らないと!



 するとお店の前に赤馬が紐で繋がれているのを見つけた。

 人の物を盗むのは気が引けたが今は非常事態なので俺は素早くその赤馬の紐を解き赤馬に乗って逃げ出した。


 さすがに男たちも馬の脚には敵わない。

 しかし、この町にいる以上奴らに襲われる可能性はある。奴らの狙いが俺にある以上、安易にルイーフ王子の宿には戻れない。


 俺は危険を承知で町を飛び出し夜の砂漠に馬を走らせた。




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