102 家出中のリネットに誘われてみた
「やああぁ~ん!」
オリヴィエが甲高い声で啼いたと同時にガクンッとオリヴィエの身体から力が抜ける。
「あぁ、も、もう、むり、はぁ、はぁ」
荒い息を吐いてオリヴィエはぐったりとしてしまう。
まだまだヤろうと思えば俺はできるけどオリヴィエは意識が朦朧としているようなのでこれでやめることにする。
「オリヴィエ。少し眠った方がいいよ」
「はぁ、はぁ、ひゃい…」
返事をしたオリヴィエは瞳を閉じてやがて寝息が聞こえてきた。
風邪を引かないようにオリヴィエの身体に毛布をかけてから俺はテントを出る。
テントの外は昼間とは違いひんやりと冷えた空気になっていた。
ふと夜空を眺めると星が綺麗に見える。
うわあ! こんなに綺麗な星空を見るなんて久しぶりだな。
砂漠の夜空は他の国の夜空より綺麗に星が見える気がした。
少し、星空を眺めてみようかな。
そうだ! どうせならオアシスの泉の方に行ってみよう。
俺は泉まで歩いて行く。
泉まで来ると俺は泉の中に手を入れてみた。
う! けっこう冷たいな。
でもなんか気持ちがいい。
泉の畔に腰をかけて俺は星空を見る。
セルシオにも砂漠の夜の星空は綺麗だって今度手紙で教えてあげようかな。
そんなことを考えていると人の気配がしたので俺はそちらに視線をやった。
元々、人の気配に俺は敏感だ。
そこには頭からスッポリとフードの付いたマントを羽織った人物がいた。
俺は警戒しながらその人物を観察する。
ハルファ王国は賊も多いらしいからここが街中でも油断はできない。
するとその人物は声をかけてきた。
「あら、こんな泉でいい男に会えるとは思ってなかったわね」
鈴のような軽やかな女性の声だ。
女か。でもこんな夜遅くに女が一人で何してるんだろう?
女であっても油断はできない。
俺は慎重に声をかける。
「あなたはどなたですか?」
女はフードを取った。
わ! 美人だな!
黒い髪は長く一つにまとめて縛っていてその瞳も黒曜石のような黒い瞳。
そして唇は赤い紅をつけているようで女の妖艶さを増加させている感じ。
年齢は30代半ばくらい。
「私はリネットよ。あなたは旅人?」
「え? あ、はい。俺はハリーです。旅をしているけど今は隊商の護衛してます」
「へえ、そうなの。それにしてもハリーは美しい顔をしてるわね」
リネットは俺のことを平気で呼び捨てにした。
その声にはどことなく人の上に立つ者独特の響きがある。
どこかの貴人なのかな。
でも貴人がこんな場所に一人でいるなんておかしいか。
「それは褒めてくれてありがとうございます。リネットさん」
一応リネットの方が年上だし纏う雰囲気からどこかの貴人かもしれない可能性は捨てられないから俺は丁寧に返事を返した。
「ふふ、私のことはリネットって呼んでいいわよ。それよりあなたが旅人なら好都合だわ。私の一晩の恋人にならない?」
「え? 一晩の恋人?」
突然のリネットのお誘いにさすがの俺も戸惑う。
「私はある理由で今家出中なの。でもいずれは自分の夫の所へ戻るわ。だけどあなたみたいな美しい男は大好きなのよ。だから一晩だけの恋人ってこと」
リネットは赤い唇で妖艶な笑みを浮かべる。
う~ん、リネットは人妻かあ。
家出中ってのが気になるけど俺もずっと一つの場所にはいられないし、まだヤリ足りないからお誘いを受けようかな。
「いいよ。リネットの一晩の恋人になってあげても」
「そう。ならここでヤリましょ」
「え? ここで?」
「砂漠の星空の下でヤルのも気持ちがいいと思わない?」
そう言ってリネットは羽織っていたフード付きの上着を脱いだ。
リネットの胸は大きく腰は細くお尻も大きい。
でもその体型は引き締まっている印象だ。
そして腰には剣を差していた。
もしかしてリネットは剣士でもあるのかな。
リネットは魅惑的な笑みを浮かべて俺の隣りに座った。
そして自分の剣を腰から外して近くに置いてから俺の顔に自分の顔を近付ける。
「ふふ、まずはその唇をいただくわね」
赤いリネットの唇が俺の唇と重なった。




