11話
~事務所~
D「今年限りで辞めさせていただきます。」
社長「あなたをプロとしてプランを立てていたのよ。それなのに一体、どうして!?」
D「この事務所がいてこそ仕事があったことは実感しています。⋯ですが、私が本来、居るべき場所が見つかりました。」
ダンス講師「その決意は変わらないのね?」
D「はい。これからは私を待っていてくれる友達とともにダンスを踊ります。」
社長「それと仕事を割り切って活動をすることはできないのですか?」
ダンス講師「社長、私から一言言わせてください。」
社長「なんでしょうか?」
ダンス講師「私たち、大人は学生時代というのは既に通ってきた道となります。ですが、Dと同じ年頃の子たちはイマを大事にしているからこそ、なにかを得たり見えてくるモノがあると思っています。それはビジネスや損得勘定ではなく、人として大切なことを学ぶことができる機会でもあると私は思います。」
社長「⋯そうね。私が今、こうして事務所を設立するキッカケになったのは夢を諦めることになって、下の世代に同じ思いをして欲しくないという理由でしたね。」
D「⋯。」
ダンス講師「私がここにやってきたのは〇〇さん(社長)の理念と情熱を知り、協力したいと思って応募しました。」
社長「あれから随分と年月が経って事務所の規模も人材も増えて、いつの間にか仕事のことばかり優先して考えていたのかもしれません。」
D「ですが、そのおかげで私は成長することができました。」
社長「いまの貴方の目は入っていた頃と同じくらい輝いている。これからの活躍を応援しているわ。」
ダンス講師「D、これだけは忘れないで。自分がみせたいダンスを思う存分に踊ることを。」
D「はい!」
Dが退出して社長とダンス講師だけとなる
社長「若いってどんなことも挑戦できるのがいいところね。」
ダンス講師「いきなり、そんなこというなんて〇〇さんらしくないですよ。」
社長「あの子をみて少し感化されたのかもしれない。」
-前半パート終了-
場面が切り替わり、最終予選に向けて練習をしている4人に切り替わる
B「最終予選は自由形式だから私たちも含めて一番、得意な曲を披露してくるはず。」
C「私たちも他のチームに負けないように日々、練習を重ねていかないと全国出場できませんね。」
A「そうだね。勝ち上がってきたチームとほぼ確定と予想されているベアトリスがいるとなれば──」
E「残された枠は、たった1つだけ。」
B「とにかくいまは練習を頑張ろう!」
A「うん!」
C「はい!」
E「ええ!」
練習が終わって夕方になる
E「結局、Dはこなかったわね。」
A「仕方ないよ。突然、辞めることを伝えたら話が長くなると思うし。」
C「事務所をやめて私たちと一緒にアイドルをしていただけるのは嬉しいのですが、複雑な気持ちもあります。」
そこへDがやってくる
D「事務所に入って仕事をしているかいないかだけで、アイドル目指してオーディション受けていたCと大して変わりないよ。」
B「事務所に辞めること伝えて⋯なんか言われた?」
D「私のいまの気持ちを正直に伝えたら、了承してくれたよ。」
A「それじゃあ⋯!」
E「ようやく正式に加入することになるのね。そもそも、私を先に入れておいて──」
D「協力してくれてありがとう、E。」
Dはお礼を言ったあとにお辞儀をする
E「そんな風にされたら、どう返していいのかわからないじゃない。」
B「じゃあ、こうしたらいいんじゃない?」
BはDとEの手を繋いでハグをさせる
B「AとCもこっちにきて5人でハグしようよ!」
A「え、ええ!?」
C「そのようなことを公の場でするのは少々、お恥ずかしいです。」
B「じゃ、手を繋いで⋯はい!」
5人の仲睦まじい姿を遠目からの視点でみせる
B「そうだ!こうしてDが加入したことだし、あのステージで歌ってみない?」
D「まだ夕方だし、歌っていたら人が集まってきそうじゃない?」
B「それでもいいよ。私たちの認知度を高めるためにもね。」
5人は公園に設置されてあるステージに立って歌う準備をする
B「(これが真のルシェル!)」
曲を披露する
↓
ライブ終了
歌い終わった後、立ち止まって観ていた人たちがステージで披露していたルシェルに拍手を送っていた
EDへ




