村の改革
……さん
ま……さ……おき……
「まいさん起きて!」
目が覚めるとネアさんが目の前にいた。
「ネアさん?どうしたの?」
「良かった!やっと起きてくれた」
「ごめんなさい。昨夜寝るのが遅かったからさ」
「それな事より村が大変なんです!すぐにお父さんの所にいってください!」
正直もっと寝ていたかったが、ネアさんの迫力に負けしぶしぶ目を擦りながら村長さんの元に向かった。
扉を開けると村長さんにダルガ、パリッシュさんに隊長さんも座っていた。
「朝からみんな集まってどうしたの?ネアさんが慌ててたみたいだけど」
みんなどことなく顔が疲れてる。
「やってくれたな嬢ちゃん」
「流石は天使様です!」
「ん?」
「ちと聞きたいんじゃが。昨日までなかった物が今日になって突然現れたのじゃ。お嬢さんの仕業じゃな?」
呼ばれた理由がわかった。
「うん。どうしても必要で、勝手にやっちゃったの。ごめんなさい」
「そうか、本当にお嬢さんが創ったものじゃったか……よく一晩であれほどの大きな井戸を創ったものじゃな」
「嬢ちゃんよ。俺達に相談してからでも良かったんじゃねぇか?村の真ん中に急に現れたもんだから、村全体が大騒ぎになって大変だったんだぜ!」
「ごめんなさい」
「分かってくれたのなら、それで良い。それに危険なものではなく、村にとっては、ありがたい事じゃからの。どうやって創り出したかは、わし達が聞いても理解できぬだろうし、これからは相談してくれたらええ」
「わかったよ。それとね。今回もこれからやる事も、わたしがやったって事は秘密にしてほしいの。言い訳は村長さんに任せるから」
面倒くさい事は、できる人に押し付ければ良いって死んだおばあちゃんからの遺言だ。
「いけません天使様!このことを村人全員に知ってもらい、天使様が降臨されたことを理解させねばなりません!」
「だ〜か〜ら!そういうのが嫌だ!って言ってんのよ!」
変態量産計画は絶対に阻止する。
「さっき嬢ちゃんは、これからもって言ったが、何をするつもりなんだ?今日みたいな面倒はごめんだからな、今のうちに言っといてくれ」
いい機会なので、私の考えてる終わりの村改革を教えてあげる。
「井戸の件は、わたしが欲しかったから創った訳だけど、魔物の襲撃が来る前に村の周辺を囲む塀を全部、今あるやつより高くして頑丈にするつもりだよ」
現在村の周辺を囲む塀は、わたしの身長より少し高いぐらいでボロボロだ。
「短期間でそんな事が可能なのか!?」
「大丈夫だよ。そのために、ダルガには木と硬石を村の外まで集めといて欲しいんだけど、お願いね」
「それは別にかまわねぇが……なんか良いように使われてる感が凄いな」
「気のせいだよ。気のせい」
雑用係のダルガが睨んでくるが笑顔で返してあげた。
「本当にお嬢さんには驚かれるの〜。村のためじゃ、なにか必要な事があれば、わしにも言ってくれてええからの」
「天使様!是非に私にもご命令くださいませ!」
「村長さんは、騒ぎになるのを抑えてくれてれば嬉しいかな。もちろん、わたしのことは秘密でね。パリッシュさんは、自分の仕事を頑張ってね」
パリッシュさんの横で隊長さんが頭を抱えてるのが見えたので、丁重に断った。
「あと嬢ちゃんに重要なことを言っておく」
「どうしたの?」
ダルガが真剣な表情なってる。
「今日外で魔物が多くの群れをなしているのを発見された。これは魔物が村を襲ってくる時の前兆だ。あまり時間は無いと思ってくれ。言ったように俺も協力するから、なるべく早く頼むぜ」
「そんな前兆があったんだね。一応、村の人達にはバレたくないから、作業は夜中にやるけど、時間はそんなにかからないと思うよ」
多分2日あれば終わるだろう。
その間に魔物が襲ってこないことを祈るだけだ。
「それじゃあ、嬢ちゃんのお陰で水汲みには行かなくて済んだし、俺は言われた材料でも集めてくるかな」
「天使様。非常に残念ではありますが、まだ村人達の騒ぎも収まっておりませんので、私も仕事に戻らさしていただきます」
そう言って、みんなが出ていき残ったのは、わたしと村長さんとネアさんだけになった。
「村長さん悪いんだけど、後は任せるね。わたしは作業のためにもうひと眠りさせてもらうよ。あっ、もしミミが来たら起こして欲しいかな」
「うぬ、わかったのじゃ。お嬢さん、村のことを頼む」
「うん。任せて」
それから部屋に戻り寝ていたらネアさんじゃなくミミが直接起こしに来たので、アルマンとフェニを呼び出して一緒に遊んだ。
ミミ達と遊んでいると、ダルガが材料を集めてきたので、それを回収したり、井戸の様子を見に行ったりしていると時間があっという間に時間経った。
「眠たいけど、そろそろ行かなきゃ」
わたしは作業の為に家を出る。
フラッシュフラワーを取り出すと村の外へと向かった。
元々の塀は警備隊の人達によって撤去されているので、あとは建てるだけで済む。
「村の入口がここだから、この辺からでいいね」
前回の反省を活かして、今回はアルマンとフェニを召喚し人や魔物が来た場合は知らせてもらうようにした。
「じゃあ、アルマンもフェニよろしくね」
「キュピッ!」「ピュイッ!」
それから、ドローパットを召喚すると黙々と塀を建てて行った。
今回は誰にも見つからず、順調に作業は進んでいき、2日かかると思ったのが今日1日で終わってしまった。
「まあ、早く終わることはいい事だよね。アルマンもフェニもありがとね」
そう自分に言い聞かせて、アルマンとフェニをクリスタルに戻すと自分も家に帰って眠りについた。
まい「お風呂を作るのは、また先になりそうだよ……」




