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Fantasy of Dreams 〜夢と幻想の世界〜  作者: 金髪モン吉
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のんびり素材集め【前編】

 院長先生に起こされてミミと一緒に村長さんの部屋に向かう。


「村長さん目が覚めたんだ。良かった良かった」


 部屋に入ると元気そうな村長さんが座っていた。


「勝手に色々決めちゃって、ごめんなさい!話の成り行きでっていうか……トントン拍子で決まっちゃって」

「いや。本来は、わしの役目じゃったのを不甲斐ないわしの代わりに、お嬢さんがやってくれたじゃ。礼を言う。わしでは、ああはならなかったはずじゃ」

「そう言って貰えると助かるよ」


 怒られなくて良かった。


「しかし、お嬢さんは本当に天使様なのかもしれぬのー」

「はっ?……なんでそうなるのよ」


 村長さんまで第2のパリッシュさんに、なってしまうのは勘弁してほしい。


「あれほどの強さを目の辺りにするとのー。それにあの武器じゃて、全体が燃えてるのに灰にならぬ不思議なものを見せてもらったのじゃ。神器と言わてれも疑いわせぬよ」

「それ村長さんが村から出たことがないから、見たことがないだけだって。王国とかあるんでしょ?そこに行けば珍しくともなんともないと思うよ」


 この世界のことが分からないから少しは控えめにしたし、あれぐらいの威力がないと大型は倒せない。


「確かに嬢ちゃんの言う通り王国に行けば実力者の冒険者もいるから、嬢ちゃんのように強い奴もいるだろうぜ。でもよ、嬢ちゃんの歳であそこまで、綺麗に魔力を武器に流し込める奴は見たことねぇよ!今の俺ではあそこまで武器全体にとどこりなく流し込めるか自信はねぇな」


 この世界には魔法があって魔法がない。

 装備や身体に直接魔力を流し込んで使う魔法しかないのだ。

 アニメやマンガで見るような、手から炎を飛ばしたり水を出したりとは出来ない。


「ダルガの話は30年前でしょ?多分今は色々変わってるってば」

「それもそうだが、嬢ちゃんの腰にぶら下げてる小さい弓は、あの時に見た武器なんだろう?大きさを自由自在にできる武器なんて聞いた事ねぇし、見たこともねぇぞ!」


 30年前の話だしから、ダルガが知らないだけだよ。

 わたしも1度王国に行って色々見てみたい。


「ところで、村長さん鉄石って持ってないかな?」


 わたしの必殺技、話題変え!


「お嬢さんはそんな物が欲しいのか?わしは持ってないが、鍛冶屋に行けばあるにはあると思うのじゃが、武器は作っておらぬのじゃ」


 わたしが武器を欲しいと思ったのかもしれないが、欲しいのは水だ!


「鉄石あるんだね!良かった。別に武器が欲しいわけじゃなくて鉄石が欲しいから大丈夫だよ」

「そうなのか?じゃが、水汲みの時に村人達が少し持って帰ってくるぐらいじゃから、量が少ないでの。鍛冶屋に行っても売ってはくれぬじゃろう」

「売ってもらうのが無理なら、川の近辺には鉄石の塊があるって事だよね?今から行って取ってくるよ」


 近くにあるなら取ってくればいい。

 わたしは水のためなら努力を惜しまないよ。


「ふむ。それほど欲しいのじゃな。お嬢さんの強さなら森でも平気じゃとは思うが、なにがあるか分からんからの。ダルガ君が一緒に行けば心配もないじゃろうて」

「えっ……別に1人でも」


 正直これからやることを見られてダルガに騒がれるが面倒くさい。


「嬢ちゃんからすれば俺は足手まといかもしれねぇが、毎日水汲み場まで村人達を護衛してるから、鉄石が集まってる場所も知ってるぜ。必要だろ?」

「そういうことなら頼むよ」


 闇雲に探すよりも効率が良さそうなので頼む事にした。

 ダルガがパーティーに入った。


「ミミも一緒に行かない?」


 おっさんと2人で行くのは嫌だからミミを誘ってみる。


「まいお姉ちゃんが迷惑じゃないなら一緒に行きたい」


 おっさんと2人で行くと考えると気持ちが重くなるけど、ミミと一緒なら軽くなる。

 ミミがパーティーに入った。


「天使様!護衛が必要でございました、是非とも私奴(わたくしめ)も連れて行ってくださいませ!」


 聞こえていたのか放置していたパリッシュさんが戻ってきた。

 耳良すぎじゃない。


「パリッシュさんも仕事があるでしょ。わたし達3人で大丈夫だからね。着いてこないでね」


 一緒に行きたいと涙ながらに懇願するパリッシュさんを、村長さんが説得してくれて、無事3人で村の外に行くことになった。

 ダルガが家に武器を取りに帰ると言うので、村の入り口で待ち合わせをして別れる。

 村の入り口に着くとダルガは背中に2メートルぐらいの大剣を背負ってやってきた。


「とりあえず川に行くか」


 ダルガを先頭にミミと2人で後ろを歩いていく。


「危ないから手を離しちゃダメだよ」

「うん。わかった!」


 こんな環境のせいなのか、ミミは年齢のわりに大人びているところがある。そこも可愛いんだけど、今みたいに子供っぽいところが本当のミミなのかもしれないね。

 連れてきて良かったよ。


「鉄石取りに行くのに手ぶらで行くって聞いたときは耳を疑ったが

、まさか嬢ちゃんが異次元ボックスのスキルを持っていたとはな。羨ましすぎるぜ!」

「ダルガしつこい男はモテないよ」


 ダルガがしつこく言う『スキル』は【Fantasy of Dreams】には存在しなかったので、みんなに隠れてシステムフィルターを確認し、スキルの項目を見つけたときは驚いた。

 スキルの欄を確認すると《異次元ボックス∞》と表記されていた。

 わたしはフィルターで見れるが、この世界の人は冒険者証に登録して、スキルがあればスキル名とレベルが表記されているみたいだ。

 登録した時にスキルがなかっても、スキルを覚えたり、レベルが上がったりすると冒険者証が勝手に更新されるみたい。

 異次元ボックスは、この世界では激レアなスキルで、スキルレベルによってボックスの容量が決まるらしい。

 わたしは《∞》なので誰にも言わないでおこう。


「2人共止まれ!なにかいる」


 ダルガの言葉に立ち止まる。

 様子を見ていると森の奥から、太い棍棒を持ったオークが現れる。


「はぐれだな!こいつは俺がやる!この場所で他の魔物が来たら援護してくれ」


 ダルガが背中に背負った大剣を引き抜いた。

 それを見て、わたしは弓を大きくしていつでも攻撃出来るように準備する。

 ダルガの身体が徐々に金色に光り出すのを合図にオークが棍棒を振り回しながらダルガに突っ込んできた。


 ブフォーオ


 オークが振り下ろしてきた棍棒をダルガは軽々しく大剣で受け止める。

 オークはもう一度棍棒を振り上げて叩き下ろす。それを見てダルガは下から大剣を振り上げる。

 棍棒と大剣がぶつかり合い棍棒が木っ端微塵に吹き飛んだ。棍棒が吹き飛ばされた衝撃でオークがよろめいた。

 ダルガは振り上げた勢いのまま大剣をオークに振り下ろす。

 振り下ろされた大剣はオークの肩から吸い込まれて身体が切断され絶命して光に包まれた。


「ふぅ。他にはいないみたいだな。嬢ちゃんオークの素材を頼む」

「いいよ。帰ったら渡すから」


 オークの素材に手を触れると消えてボックスに入った。


「1匹ならなんとかなるか」

「そんなの?まだ余裕ありそうだったし大丈夫じゃないの」

「もう歳だから昔のようには戦えねぇよ」


 あんな重そうな剣を振り回しといてよく言うよ。


「ミミ大丈夫だった?」

「まいお姉ちゃんがそばにいてくれたから大丈夫だよ」

「これからの戦闘は全部ダルガに任して、わたしはミミのそばにいてあげるからね」

「おい!なぜそうなる!」

「だってミミが可愛いからしかたないじゃない」


 もしかしたらミミは天使なのかもしれない!

 パリッシュさんの気持ちが1ミリぐらい理解できたかも。


「鉄石がある洞窟までもうすぐだから、バカなこと言ってないで行くぞ!」


 オークが出た以外問題なく進み川辺に出て下っていく。

 下っていくと目の前に大きな洞窟が現れた。


「洞窟の中は基本的に魔物が出ることは少ないが、いないわけじゃない。嬢ちゃんも一応武装しといてくれよ」

「わかったよ。ミミは離れちゃうと守れないから、わたしのそばにいるんだよ」

「うん!」

「じゃあ入るぞ!」


 わたしはミミの手をしっかりと繋いでダリルの背中を追って洞窟へ入って行った。

まい「やっと鉄が手に入って井戸が直せるね」

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