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推しに勝ったご褒美はオフレコで!? ~元FPS日本代表、男なのに女性限定VTuber事務所に採用されました~  作者: ぽんさん
【アーカイブ01】 画面の向こうへもう一度

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【配信3日目】 一次予選! 五位でいいので通してください 【nemui/月乃ほしな】

 人の少ない場所へ降りたかった。


 だから、大きな町を避けて、畑の間にある小さな集落を選んだ。


 同じことを考えた人が、五人いた。


「……仲がいいな」


 僕を含めれば六人だ。この集落だけで、すでに一人あぶれる。


 仲よくしている場合ではなかった。


 落下しながら、右手の二階建てへ向きを変える。赤い屋根。道路に面した玄関と、裏手の勝手口。隣の家までは、塀に沿って移れそうだった。


 一人が、隣の庭へ下りていく。


 僕は地面に足がつく前から、玄関へ向かってキーを押していた。


 扉を開ける。


 床に拳銃。


 奥に弾。


 拾う。装填する。


 二階から足音がした。


「え、そっち?」


 窓の外を、一瞬だけ布の端が横切った。


 二階のベランダへ降りた人がいたのだ。


 玄関から入った僕より、よほど効率がいい。


 この家の所有権について話し合いたかったけれど、ゲームにその機能はなかった。


 階段の下へは行かず、脇の小部屋へ入った。


 短い銃と、弾の箱がある。


 手が先に動いた。拳銃を持ち替え、装填する。上ではまだ足音が続いていた。部屋を一つずつ調べているらしい。


 かちり、と銃の音がした。


 続けて、階段。


 僕は入り口の脇へ寄った。


 足音が下りてくる。最後の一段で、少し間が空いた。


 止まった。


 こちらが銃を込めた音も、聞かれている。


 どちらも、相手が近くにいることを知っていた。


 部屋の入り口を見つめる。


 先に覗いた方が撃たれる。


 窓へ一度目をやった。外へ出ることはできる。ただ、隣の庭に下りた一人が、まだどこにいるか分からない。


 廊下で、靴底が擦れた。


 人影が出た。


 撃つ。


 遅い。


 肩を出した相手が引くまでに、当たったのは一発だけだった。


 反対に、僕の体力は大きく減っていた。


「っ……」


 部屋の奥へ下がる。


 向こうは、もう一度来る。


 そう思ったところで、廊下から金属の擦れる音がした。


 装填。


 いまなら、間に合う。


 右手が動きかける。


 僕は、マウスを握り直した。


 音がしただけだ。銃が撃てなくなったところを見たわけではない。


 さっきは、間に合わなかった。


 相手を追う代わりに、窓枠を越えた。


 外へ落ちる短い音。着地した途端、部屋の中へ銃弾が飛び込んだ。


 背後で、ガラスが割れる。


 窓の下へ身を伏せ、そのまま塀まで移った。


 後ろを振り返りたい。今どこにいるのか、見たくなる。


 でも、覗けば向こうからも見える。


 僕は隣の家の裏口まで走り、扉を閉めた。


 床へ座るようにしゃがんで、包帯を使う。


 布を巻く音に、自分の息が重なっていた。


 まだ、誰も倒していない。


 開始から、二分も経っていなかった。


     *


 隣の家は、空き家ではなかった。


 布を巻く音の向こうで、床板が軋んだ。


 僕は包帯を止め、台所へ続く入り口に銃を向けた。


 細い銃口が見える。


 次に、肩。


 撃った。


 相手がこちらを向くより早く、何発かが当たった。近すぎて照準を覗く暇もない。短い銃を下へ押さえ込みながら、引き金を離さない。


 最後に撃ち返された弾が、一発、身体をかすめた。


 相手が倒れた。


 僕の体力は、さっきより減っていた。


「……お邪魔しました」


 言ってから、もう少し邪魔をさせてもらうことにした。


 ここを出たら、包帯を巻く場所もない。


 別の入り口がないか確かめ、台所の隅へ下がる。


 今度こそ回復を終えるまで待った。


 画面の端では、次々と誰かが倒されている。


 生存者、八十一人。


 僕の撃ち合いを待たずに、試合は進んでいた。


 ようやく人心地つき、手をコップへ伸ばした。


 届かない。


 机の、ずいぶん遠いところへ置いてあった。


 自分で置いた。倒さないように。


 倒す心配のないものは、飲むことも難しかった。


 椅子を半分ずらし、肘を伸ばす。画面を見たままどうにか持ち上げて、一口。


 お茶が、妙においしかった。


 戻す場所は、少しだけ近くした。


 安全を重視しすぎた。


 ゲームの中でも、それぐらい慎重にできればよかったのだけれど。


 奥の部屋で、使い慣れたライフルを見つけた。防具も拾い直す。包帯と回復薬、煙幕を二つ。最後に、手榴弾を一つ。


 照準器は、一つだけにした。


 地図を開く。


 最初の安全区域は、集落の向こうだった。遠くはない。歩いても間に合う。


 家から出る前に、次に隠れる塀を確かめた。


 塀。その先の納屋。道路を渡れば、木のある斜面。


 順番に移ればいい。


 玄関を少し開けると、向かいの家の二階を人影が横切った。


 さっきの相手だろうか。


 窓が開いていた。


 体力は減っているかもしれない。こっちに気づいていないかもしれない。


 僕は銃を構えた。


 一度だけ、覗く。


 誰も出てこない。


 もう少し待てば――。


 そこで、安全区域が縮み始める通知が出た。


「ああ、もう」


 いま、何をしていた。


 僕は玄関を閉め、裏へ戻った。


 塀。納屋。その先の斜面。


 さっき決めた順番を、頭の中で言い直す。


 勝てそうな相手を見つけるたびに立ち止まっていたら、最後まで誰かの家の前にいることになる。


     *


 斜面の途中で、撃たれた。


 銃声より先に、身体の横を弾が抜けた。


 僕は向きを変え、近くの木へ飛び込む。


 二発。


 少し間を置いて、また二発。


 木の皮が跳ねた。


 集落を出るのが遅れた。その間に、先へ行った人が上を取っていた。


 幹の左側から、ごく短く覗く。


 道を挟んだ納屋の屋根に、人がいた。


 黒いヘルメットの横に、赤い線。


 銃口が、もうこっちを向いていた。


 隠れる。


 頬の横で、乾いた音が二つ鳴った。


「見てただけなんだけど」


 見物料としては、高すぎる。


 体力の表示を確かめた。


 次に同じ側から顔を出せば、終わるかもしれなかった。


 地図の端から、青い区域が近づいてくる。


 ここに居続けるわけにもいかない。


 木から少し下ったところに、車があった。


 道路脇の、小さな四輪駆動車。途中で見たときには、自分の位置を音で知らせたくなくて通り過ぎた。


 もう知られている。


 僕は車との間へ煙幕を投げた。


 白い煙が、草の上で膨らむ。


 屋根からの射撃が、少しずれた。


 走る。


 車体の陰へ回り、乗り込んだ。


 前へ。


 動かない。


 もう一度、前へ。


 運転席の背もたれが見えた。


「僕が運転するんだった」


 後部座席だった。


 誰を待っている。


 窓が砕けた。


 誰も迎えに来てくれないし、待たせてもくれなかった。


 座席を切り替える。ハンドルを握る両手が映る。


 アクセル。


 エンジンが唸り、車が草を踏み倒して動き出した。


 後ろで、また二発。


 車体が鳴ったけれど、止まらなかった。


 道を外れ、低い丘の陰へ下りる。


 そこでようやく、銃声が遠ざかった。


 車から降りる前に、周りを見た。


 座席を横へ移って、車体を盾にできる側から外へ出る。


 次に乗るときは、運転席側から。


 今日も一つ、覚えた。


 好きな配信者と話すために、まず車の座席を覚えている。


 道のりが長い。


     *


 生存者が二十人を切った頃、僕は資材置き場の外まで来ていた。


 次の安全区域は、その奥だった。


 手前には道路が一本。渡った先に青い貨物コンテナ。その向こうに、黄色いショベルカーが止まっている。右奥は斜面で、大きな岩がいくつか突き出ていた。


 目立つ建物はない。


 そのぶん、何かの陰には人がいると思った方がいい。


 車を置いてきた方向で、銃声がした。


 僕は振り返らなかった。


 最後の煙幕を道路へ投げ、広がるまで待つ。


 土を踏む音が、舗装路の硬い音に変わる。


 白く曇った画面の中で、コンテナの端だけを見て走った。


 金属の壁へたどり着く。


 反対側から飛んできた弾が、頭上を甲高く叩いた。


 しゃがむ。


 煙が切れた頃には、道路に戻る道もなくなっていた。


 生存者は、十二人。


 僕はコンテナの陰に沿って進んだ。


 正面のショベルカー。


 右奥の岩。


 端へ近づくたび、見る場所を一つに絞る。いっぺんに両方見ようとすれば、両方から見られる。


 ショベルカーの足元で、何かが動いた。


 人だ。


 履帯の内側にしゃがんでいる。すぐ撃てそうに見えたけれど、銃を向けるまでに、胴体が車体の裏へ隠れた。


 僕は、撃たずに引いた。


 右奥で二発、銃声が鳴った。


 少しして、もう二発。


 さっきの屋根と、似た間隔。


 岩の横に、ヘルメットの端が見えた。


 黒地に、赤い線。


 また会った。


 できれば、次に会うのは別の試合がよかった。


 画面の数字が九人になり、しばらくして八人になった。


 左の方で長い銃声が続く。


 七人。


 僕はコップに手を伸ばしかけて、やめた。


 口の中が乾いている。


 でも、もう、手を離せなかった。


 次の安全区域が出た。


 ショベルカーより、向こう。


 僕のいるコンテナは、全部、区域の外だった。


 後ろへは戻れない。


 右へ回れば、岩から見える。


 左を抜けても、ショベルカーからは隠れられない。


「……そうなるか」


 五位でいい。


 誰かが、あと二人。


 そう思った瞬間、遠くで一発鳴った。


 六人。


 あと、一人。


 コンテナへ身体を寄せたまま、待った。


 銃声はしなかった。


 誰も出てこない。


 左上の数字も、動かない。


 みんな、同じことを考えている。


 自分以外の誰かが、最後の一人になってくれればいい。


 縮小まで、二十秒。


 僕は持ち物を確かめた。


 煙幕はない。


 回復薬は一つ。


 手榴弾が、一つ。


 少し覗くと、ショベルカーの下で銃口が動いた。


 こちらを待っている。


 その後ろにある運転席の鉄板は、右奥の岩からの弾を遮る位置だった。


 あそこまで行けば、隠れられる。


 そこへ行くには、待っている相手をどかすしかない。


 十五秒。


 相手の銃口は、僕が引くと、こちら側へ少しだけ動いた。


 コンテナの端から出るところを狙うつもりだ。


 分かった。


 僕は銃を下げ、手榴弾へ持ち替えた。


 狙うのは、相手の足元ではない。


 ショベルカーの右側。


 片側には爆発物。正面には、僕のいるコンテナ。


 逃げるなら、反対の端が近い。


 そこへ出る短い間だけ、身体が見える。


 投げた。


 鈍い金属音がした。


 すぐにライフルへ戻す。


 右奥の岩は、見ない。


 両方には、間に合わない。


 僕はコンテナの端へ出た。


 ショベルカーの陰で、相手が立つ。


 思った方へ、一歩。


 照準を置く。


 引き金を引いた。


 弾が、背中のすぐ後ろを抜けた。


 少し足りない。


 右手を動かす。


 遠くへ動かしすぎるな。


 肩。胸。


 当たった。


 相手が銃を向ける。


 僕も、撃つ。


 画面が赤くなった。けれど、相手の姿はまだ立っていた。


 指を離さない。


 爆発音。


 車体の横を土煙が持ち上がる。


 その手前で、相手が崩れた。


 撃破の表示が出た。


 生存者、五人。


 行ける。


 ショベルカーへ走り出した瞬間、右から音がした。


 二発。


 画面が、傾いた。


     *


 五位。


 大きく出た文字を、僕は見ていた。


 右手は、まだマウスを握っている。


 左手の指も、前へ走るキーを押したままだった。


「……あっちが先だったか」


 岩の相手が撃つまでに、もう少し時間があると思っていた。


 ショベルカーの相手を倒して、そのまま車体へ入れば。


 あと、ほんの少し。


 息を吐くと、喉が乾いていることを思い出した。


 コップへ手を伸ばす。


 今度は、届いた。


 一口飲んで、もう一度画面を見る。


 五位。


 ……五位?


 僕はコップを置いた。


 参加案内を開く。


 各組、上位五名。


 もう一度、ゲームを見る。


 五位。


「通った」


 声が出た。


 いま、通ったのか。


 さっきまで、負けたところを見直そうとしていた。


 そうだ。今日の目的は、最後まで一人で立っていることではなかった。


 僕は背もたれに身体を預けた。


 胸の奥が、ようやく緩む。


「……怖かった」


 五位でいい、なんて言うんじゃなかった。


 五位も、十分に大変だった。


 観戦画面には、僕を倒した相手が映っていた。


 HATCH。


 黒いヘルメットに、赤い線。


 やっぱり、屋根にいた人だった。


 岩から身を出し、すぐ引く。


 ほとんど立ち止まらずに、次の場所へ銃を向けていた。


 僕が二人を交互に見ていた間も、この人は撃つ場所を決めていたのだろう。


 倒しやすい相手を、倒せる瞬間に。


 さっきは、それが僕だった。


 しばらく見てから、ロビーへ戻った。


 白髭の大男が、いつもの困った顔で立っていた。


 今日くらいは、ちょっと笑ってくれてもいいのに。


 僕の方は、たぶん、笑っていた。


     *


 通過の通知が届いたのは、試合のあと、少し経ってからだった。


 第一八七組、第五位。


 nemui。


 間違っていなかった。


 僕は通知を保存した。


 ゲームの結果画面も、保存してあった。


 昨日までは参加できているか確かめていたのに、今日は通過できているか確かめている。


 ゲームを再開してから、証拠ばかり増える。


 明日の二次予選も、十四時から。


 一つの部屋に八十人。


 全員が、今日どこかで上位五人に入った人だった。


 少なくなったはずなのに、ずいぶん多く感じた。


 練習しようかと思って、手を止める。


 右肩が、少し固まっていた。


 今日は、一度休もう。


 立ち上がって、窓を開けた。いつもと変わらない午後の音が入ってくる。


 遠くを走る車も、隣の部屋の扉も、誰がどこにいるか考える必要のない音だった。


     *


 その夜、ほしなの配信画面には、金色の歯が映っていた。


『じゃーん! 予選通過したみんな、おめでとう!』


 違うのかもしれない。


 僕は、食べかけの夕飯を置いた。


 白い画面に、大きな金色の塊。その左右から丸いものが飛び出していて、下には太い脚が二本。


 歯にしては、部品が多い。


〈おつかれさまー〉

〈通ったよ!〉

〈何これ〉

〈歯?〉


 やっぱり、同じことを考えた人がいた。


『トロフィー! ……え、歯に見える?』


 カーソルが、金色の塊のまわりを回った。


『ここが持つとこで、下が台座。足じゃないよ』


〈なるほど〉

〈ほしな画伯〉

〈足に見えるw〉


『待って。真ん中の線がいらないのかな』


 消しゴムが動いた。


 台座だったはずのものが、少し丸くなった。


 奥歯になった。


 僕は箸を置いた。


『……あれ?』


〈草〉

〈戻して〉

〈悪化してる〉


『分かった。文字を書けばいいんだ。これで伝わるでしょ』


 金色の上へ、大きく「おめでとう!」と書き足された。


 誕生日にもらったら、一度、意味を考えると思う。


『できた! みんな、よかったら持ってって。予選のお祝いに描きました』


〈ありがとー〉

〈保存した〉

〈字は読める〉


『字はって言った? 今。……いいの、気持ちは入ってるから』


 それは、ちゃんと分かった。


 僕は画像を保存した。


 トロフィーという名前で。


 描いた本人がそう言っているのだから、トロフィーだ。


『今日は予選、参加してくれてありがとうね。見ててくれた人も、応援ありがと。結果は運営さんがまとめてくれてるので、通過した人は案内を確認してください』


 ゲームの運営側が公開した結果ページへの案内が、画面の下に出た。


『……「初戦で落ちました」。そっかあ。出てくれてありがとう。今日は緊張したよね』


〈緊張した〉

〈手震えた〉

〈全然撃てなかった〉


『分かる。ほしなも大会だと、いつもどおり動かしてるつもりなのに、なんか指が違うの。なんで今そっち押した、みたいになる』


 僕は、ご飯を一口食べた。


 後部座席のことは、言わないでおこうと思った。


『「五位でした」。おお、通過だ! おめでとう!』


 画面を見た。


 僕は、まだ何も書いていない。


 別の誰かの五位だった。


 今日は、あちこちの部屋に、似たような人がいるのだろう。


『五位、いいじゃん。ちゃんと明日、もう一回遊べるんだから』


 僕は少し迷ってから、コメント欄に文字を打った。


〈五位で通過しました〉


 送る。


 ほかにも、二位、三位、という報告が続いていた。僕の一行も、すぐ上へ流れた。


『通った人、けっこういるね。おめでとう! 今日だめだった人も、本戦は一緒に見ようね』


 ほしなの立ち絵が、うれしそうに揺れる。


 横では、金色の歯がお祝いをしていた。


『あ、でも明日もあるからね。ここで全部終わった感じで、朝までゲームしないように』


〈はーい〉

〈もう一戦してた〉

〈一戦だけなら〉


『その一戦が終わらないんだって! ……ほしなも言えないけどさ』


 今度は、彼女も笑っていた。


 僕は今日の通知を、もう一度だけ見た。


 五位。


 通過。


 夕飯が、さっきより少しおいしかった。


     *


 配信のあと、今日の試合を少しだけ見直した。


 自分の画面を録画する設定は、予選の前に入れてあった。音と弾が飛び交っている最中には分からなかったことが、止めてみると見える。


 窓を見て立ち止まったところ。


 木の同じ側から、顔を出しかけたところ。


 コンテナに入った時点で、次に進める場所が少なかったこと。


 撃ち合う前に、やれることがあった。


 昔から知っていたはずなのに、今日は目の前の一人ばかり見ていた。


 メモを開く。


 次の場所を先に決める。


 その下に、もう一行。


 車は運転席から。


 二行目を、四角で囲った。


 まじめな反省ほど、誰にも見せられないものになる。


 地図を開き、今日降りた集落から、別の道をたどってみた。


 ここで待たずに、先へ行っていれば。


 この斜面へ、下からではなく、向こう側から入れれば。


 まだ銃を撃たないうちに変えられることが、いくつもあった。


 明日も、五位でいい。


 そこまで辿り着く方法を、今度は最初から考えておこう。


 零時になる前に、地図を閉じた。


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