第5章──「主要キャラクター紹介」
◆ハングラル◆
「この世界は、力がすべてだ。力なき国から、順に、喰われていく」
種族:人間 アクア・ヴィータ王国・騎士団長
武器:黒く濁った刃の魔剣
触れた剣や魔法から、力そのものを吸い取ってしまう異様な一振り。水も、血も、魔力も、この刃に触れた途端、ただの無力な残骸と化す。
全盛期を過ぎてなお、一国の騎士団を束ねる歴戦の剣士。長年、王家に忠義を尽くしてきた、誠実で頼れる男だった。だが「力なき国は滅びる」という思想に取り憑かれ、武力を持たぬこの国の在り方に、深い恐れと焦りを抱くようになる。いつしかその心は、黒いモヤに蝕まれていた。
◆グランヴェル◆
「姫様だけは、何としても、お護りしろ!」
種族:人間 アクア・ヴィータ王国・護衛団長
武器:剣
スイ姫の身辺を預かる、護衛団の長。実直で、姫への忠義は誰よりも厚い。出発前にスイ姫から託された「後ろを離れるな」という言付けを守り抜き、異変の渦中へと駆けつける。黒い魔剣を前に敗れ、深手を負いながらも、命と引き換えに放ったただ一太刀が、後の戦いの行方を、静かに左右することになる。
◆ルシアン◆
「私の名前は、ルシアン。以後、お見知りおきを」
種族:不明 商人を名乗る、謎の男
武器・能力:鋼鉄の糸
十本の指から、目にも見えぬ無数の糸を繰り出し、あらゆる攻撃を受け流し、絡め取る。蜘蛛の巣のように部屋を埋め尽くし、巨大な糸の槍すら生み出す。
城に出入りする、地味な身なりの商人。だが、その穏やかな笑みの裏に、底知れぬ実力と、冷え切った“何か”を隠している。巧みな話し方で人の心に忍び込み、内側から国を蝕んでいく。ガロウの神速の刃を指先一本で受け止め、ドラゴとガロウの合体技さえ、軽々と上回る。すべては、「あのお方」のために――。
◆国王◆
「スイだ……っ。スイが、危ない!」
種族:人間 アクア・ヴィータ王国・国王(スイ姫の父)
湖に抱かれた、美しい水の国を治める王。武力ではなく、この国の景色と、民の暮らしを守ることを、何よりも願っている。その穏やかな信念ゆえに、武装を進言する声とは、たびたび対立してきた。王としての威厳の内側に、娘を想う、ひとりの父親の顔を持つ。
◆王妃◆
「わたくしも、まいります」
種族:人間 アクア・ヴィータ王国・王妃(スイ姫の母)
国王に寄り添い、民から深く慕われる、心優しき王妃。穏やかな物腰の奥に、芯の強さを秘めている。愛する娘の危機を前にしては、震える手を握りしめ、自らの足で駆け出す覚悟を見せた。




