第六十七話 争いの後、ですわ
しばらく体調不良で書けませんでした。すみません。
今後はできるだけ更新ペース上げていこうと思います。
「でも、パトカーも来てるのに、私に何か見つかったら小林君が」
かばうわけじゃないけれど、なんでそんな提案をするのか不思議に思って、私は言った。
「まさか。魔法に関しては警察も手出しできないさ。君の転落は事故だ」
「小林! そこまで考えて――」
馬淵君が怒りをあらわにするけれど、それを遮って小林君が続ける。
「だけど、防犯カメラの映像を盗み見ていたことは言い逃れできないし、高尾に対するいたずらも、下手すれば行き過ぎで微罪かもな。どっち道言い逃れはできない。降参するしかないな」
小林君が首を左右に振る。
「正直高尾がそんな大勢で来るなんて思わなくて、他のやつらを見てテンパったんだ。馬淵は見るからにガタイがいいし、伊妻が魔法を使うって噂も聞いていたから。……蛙ヶ口がこんなに強いのは正直驚いたけどな」
ケロちゃんがぺろりと舌を出す。今回なんだかんだで一番活躍したものね。
「って、そういえばあの光はなんだったの?」
私はぴあのさんに訊いた。
「わかんない。こんな風に石が光ったのって、初めてだよ」
そういうぴあのさんの手に握られた石は、前に見たときと同じに見えたわ。変わった石だけど、突然光るような仕掛けも魔力もなさそう。
うーん、どういうことなのかしら……?
そこで救急隊の人が来た。
「伊妻、行こう。私も付き添う」
枇々木先生が立ちあがって、救急隊の人を誘導する。
「えっ、でもまだ」
「六花ちゃん、後は私に任せて」
ぴあのさんがどんと胸を叩いた。
「魔法のお香のこと、小林君にも聞けばいいんでしょ?」
どうやら気になっていたことは、ぴあのさんも同じだったみたい。
そうよね。小林君が魔法を使っていたことといい、そもそも急にこんな事件を起こそうと思ったことだって、魔法のお香が絡んでいるとしか考えられないもの。
「ありがとう、ぴあのさん。助かるわ」
タカヒロ君だって大賢者メルキセデクの知識を持っているんだもの、魔法絡みのことは任せて安心よね?
私はお言葉に甘えて、救急隊員の人のほうに歩いていった。横に枇々木先生が付き添う。
ふと後ろを見ると、ぴあのさんがこちらにウインクしてたんだけれど、なぜかしら?