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前世魔王の悪役令嬢は主人公になれない!?  作者: 亀梨名光
ゴーストバスターは前世魔王!?
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第四十話 待ちに待った試験明け、ですわ

おまちどおさまでした。第四章スタートです!

今回の主役は多重転生知識チートのあの子です!

「あああー……やっと終わったぁぁぁー……」


 ぴあのさんの声が馬淵君を挟んで反対側から聞こえた。


「南! まだ答案の回収は終わっていないぞ!」


 続いて、枇々木先生の怒鳴り声。


 今日は試験の最終日。枇々木先生の現国が最後の科目だったの。


 中間試験だから、終わったからと言っても来週の月曜日からいつも通りの授業が続くだけなのだけれど、それでもやっぱり試験が終わった後は開放感があるわ。


「以上で一学期の中間試験を終了する。これより教職員は採点に入るので下校時間となるが、くれぐれも寄り道などせず、まっすぐに下校するように」

『はーい』


 クラスのみんなの声がハモるけれど、本当に寄り道せずに帰る子がどれぐらいいるかしら。試験日が終わってせっかく昼前に帰れるのに、すぐに帰っちゃもったいないわよね。


 さてと、私はどうしようかな。復習のためにテスト問題を鞄にしまって考える。


 馬淵君とぴあのさんが付き合い始めて以来、私は何となく『エリーゼ』を避けている。ぴあのさんに誘われたら行くんだけど、自分からはちょっと、行きにくくて。


 そして今日はぴあのさんからの声掛けはまだなし。お昼前からケーキ屋さんには誘いにくいのもわかるけれど。


 ケロちゃんは今朝『中間試験が終わったら同人ショップ巡りです!』とか言ってたし……。同行してもいいのだけれど、まかり間違って獣将ケルベロス×魔王ルシファーにそっくりなカップリングの同人誌でも目にしてしまったら、なんというか、いくら転生しててもいろいろ立ち直れないわ。ケロちゃんが十八禁を買えない歳なのがせめてもの救いね。


「あれ、伊妻さん今日は一人? 珍しいね」


 タカヒロ君が前の席から私のほうを振り返る。


「ええ。タカヒロ君は?」

「僕も今日は予定なしだよ。中間試験終わったばっかりだから、予備校も他の日に振り替えてもらったしね」

「予備校!? タカヒロ君予備校なんて行ってるの? だってタカヒロ君って……」


 大正時代の学生さんから異世界の大賢者なんて二度の転生歴を持つタカヒロ君。もちろん最近の知識は抜けているでしょうけど……でも、わざわざそこまでして勉強する必要ってあるのかしら? なにも勉強しなくたって、かなり頭がいい部類の成績は取れると思うけれど。


「将来の夢があるからね。そのためには勉強はさぼれないよ」


「将来の夢!?」


 今まで『転生前の記憶があってこの人生はオマケみたいに感じてるから』って言い訳で、進路については何も考えてなかった。でも同じような境遇のタカヒロ君でも進路が決まってるとなると、この言い訳はもう使えないわね。


 やっぱり転生者でもそうじゃなくても、高校二年生の一学期も半ば過ぎたら、大まかな進路は決まっていて当然よね……。


 あーあ。私も大学の学科ぐらいはそろそろ決めないといけないのかしら。


「タカヒロ君の将来の夢って何なの?」


 参考までに、私はタカヒロ君に訊いた。多重転生の知識チートなんて持ってたら、なろうと思えばなんにでもなれちゃいそう。かえって迷ったりとかしないのかしら。


「うーん……ねえ、伊妻さん、この後空いてる?」

「空いてるけど?」

「よかった! それじゃあ僕と一緒にファミレスでも行かない?」


 タカヒロ君が私ににっこりと笑いかける。


「ファミレス?」


 確かにちょうど暇だったから、申し出はありがたいけれど、なんでかしら?


「今の夢を目指すことになった理由から話すとなると、話が長くなるから、落ち着いて話せるところのほうがいいと思って。それに僕も伊妻さんに訊きたいことがあったし」

「うーん、そういうことならいいわよ。行きましょう」


 私は快く返事をした。


 それに対してタカヒロ君は。


「やったぁ! それじゃあ僕たちこれからデートだね!」


 えっ、ちょっと待って、デート!?


 でも男の子と二人でファミレス……確かに見方によってはデートよね。


 軽くOKしちゃったけれど、タカヒロ君、いったいどういうつもりなの?


タカヒロ君が動かしてみると意外と肉食系で、なんというか、がんばれ枇々木先生!

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