第六話
ここからは分岐で取り残された方、脳が無い霊長類のことを「空っぽの頭(エンプティ―ヘッズ)」と呼ぶね。ここからは分岐で取り残された方、脳が無い霊長類のことを「空っぽの頭(エンプティ―ヘッズ)」と呼ぶね。
なんでって、分かりやすいし、かっこいいでしょ。
続けるよ。
四足歩行で、限りなく人類に近い遺伝子を持つ生物が、脳を持っていないのは進化学の観点からしておかしい。
だってそれはつまり、脳が段々と発展して大きくなっていったんじゃなくて、突然生えてきた、って言ってるようなものだからね。
次の進化先には立派な――まあ原始人並ではあるけど――脳があるのにその前の形態には脳そのものが存在しない。小さいとかではなく存在しない、というのはどういうことだって、私はさんざん考えたよ。
ただ、現に化石から答えは出ている。君の手元にあるレプリカ、どう触ってみても脳が入るスペースがないだろう。頭の部分だけぺこりとへこんでいるよね。
じゃあ、どう考えるか。
その結論を出す前に、少し違う話をさせてもらうね。大丈夫、結論までの前振りと思っておいて。
時間は先へ先へ飛んで、大体700万年後ぐらいの話。
そのころの人類には少し異変が起き始めているんだ。
どんな異変かと言うと……これがさまざまでね。
あ! ちょうど読んでいるそれ、それを読んでもらえると話が早いんだよね。そんなに長くないし、ちょっと最後まで目を通してもらってもいい? ああ、ありがとう。
さっきまで読んでいたものと関係がある資料だからさ。




