空から、でっかい宝石が!?
ブオドとシャルドは、剣を握り直す。
人、魔物共に今にも飛び掛りそうな雰囲気であった。
「やめて!! 」
その空気に水を注すように澄んだ声が響いた。
声の持ち主は、ナオの物であった。
直はウッドゴブリン達が自分に向ける慈愛に満ちた表情を感じ取っていた。
つまり彼らは自分を守ろうとしているのだと。
ナオの一言でウッドゴブリン達は怯む。そしてブオドとシャルドの二人も怪訝そうな顔でナオを見つめる。
「父様、彼らは私を守ろうとしてくれているだけなんです」
相変わらず、思っていたのとは違う口調が飛び出るが今は気にしていられない。
「貴方達も……彼らは私の大切な人達です。危害を加えないでさい」
魔物であるそのもの達に言葉が通じるか分からないが、ナオはそう語りかける。
すると緊張感のようなモノが引いていくのを感じる。
どうして魔物がナオを守るように現れたのかは分からないが、ウッドゴブリン達は分かってくれたようだ。
殺気が引いたことでブオドとシャルドは剣を収めようとする。
「あなた、待って!!」
そう言いとどめたのはリオだ。
リオだけではない、ナオも鳥肌に近い何かを感じ取る。
何処からと言われれば森全体と答えるだろう。
ナオと違い成熟した魔法使いであるリオは、強大なマナの存在を感じ取る。
「これは、魔物なんかじゃない……もっと大きな」
魔物とは、マナを体中に含む動物の総称だ。誕生石を授かるのは人間だけではない、強い誕生石を体に持つ獣はまた魔物となりうる。
魔物はあくまで獣が変化した姿である。実態があれば気配もある。
リオが感じ取ったのは、そういった直感的なモノではなく、魔的気配であった。
『往くのか?』
そう塩枯れた声が聞こえる。
墓地の森を形成する木々が、一斉に糸のように形を作り始める。
「まさか……木龍……」
木がまるで血管のように体を作るように這い回り形成した形は、まるで幻想上にのみ登場する龍のような存在であった。
幻想獣とは、魔物とは発生の根源がまた違う。
それが娘の墓地にいるとは、ここにいる家族全てが思いもしなかった。
ナオはウッドゴブリンと同じように木龍と呼ばれたソレから命の危険に繋がるような恐怖を感じなかった。だがら率直に、
「はい」
と、頷いた。
肉体、精神、魂共に生きてるのであれば墓地にいる必要はないだろう。
『ならば、これを返そう』
そういって木龍は自身の体から赤く光る物体を浮かばせながらナオへと渡す。
木龍が飛ばした光……それは巨大な紅色に光る宝石だった。
指輪などに使われる宝石と同じような形をしている。
だが、目を見張るのはその大きさだ。直が驚いたのは、宝石が両手でギリギリ覆い隠せるか隠せないかといった大きさを持っていたからであった。そして更に印象深いのが、取り出すことは出来そうにないけど、この赤い宝石の中にもう一つ宝石が入れ子になっていると言う点だ。
もし、この宝石を現実世界で売ったとしたら想像もつかないのだろうかと直は感じた。
『では、さらばだ』
木龍はそう言うと木で出来た羽を広げる。物理的にはまったく浮かばなそうな穴だらけの羽で巨龍は飛び立つ。隙間だらけの体には、ウッドゴブリンがぶら下がっている。
木龍はそのまま地平線の彼方へと飛び去った。
ファンタジーの世界へと辿り着いたナオ。自分のおかれた状況をこれから確認していくこととなるでしょう。
ノルマ3KBの小説なのでぶつ切りになってしまうと思いますがこれからよろしくお願いします。




