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特異点

「ひゃ、は……い」


 ナオは叱られた子犬のような奇妙な返事をした。

 ドアの方を見ればそこにはスラッと背の高い青年がいた。

 立場上、ナオの弟となるシャルドであった。


「皆が心配していたよ」


 シャルドはそう子どもに語りかけるようにそう言う。


(子ども扱いするな)

「子ども扱いしないで下さい」


 ナオはフンと横を向く。

 正直、直はこのシャルドという男に不信感を持っていた。

 直の時には存在しなかった、そしてナオも知らない弟として存在する。それが、そっけない態度として現れた。


「どうして、こんな所に?」

「知りたいことがあったのです」


 ナオはそうツンと答える。


「ふむ……」


 シャルドはそう頭を捻る。


「なら、僕が出来る限り答えてあげよう」

「え?」


 そう言ってシャルドはナオを抱き抱えた。


「とりあえず、部屋に戻ろう。このままじゃ、メイド達が寒空の下……風邪を引いてしまうかもしれない」


 そう、彼は苦笑する。




「シャルド様ありがとうございました」

 

 メイド達は一礼する。

 ナオはその中で奇妙な視線を送ってくる者に気がつく。


(あの子?)


 その中で一番若そうな、ブロンドの髪を2つに分けた者が見つめてくる……というよりも睨んでいる。

 

「もう、仕事に戻っていいよ」


 そうシャルドがそう言うと彼女らは下がっていった。

 不思議そうな顔を浮かべてているナオにシャルドが言う。


「彼女のことは気にしないでいいよ。後で言って聞かせておくから」

「私のこと睨んでましたよね」


 シャルドは含み笑いをする。


「それより聞きたいことがあるんじゃないのかい? それは彼女のことかい?」


 ナオはいいえ、と顔を横に振る。


「私がまず聞きたいのは、私の今の立場です」


 ナオは率直にそう尋ねた。




(驚いた)


 これは本当のことだった。

 ”生き返り”という現象が、この世においてまったくない訳ではない。

 ナイドの歴史においてこのようなもの達を復活者――リターンズと呼ぶが、そういった者達は、王になったり、勇者となったり、はたまた巨大な力を持つ魔王となったり、いずれも歴史に名を残してきた。

 ここ2日前にいたるまでシャルドは、リターンズと言うものを名を上げるためのメッキの一つ程度にしかとらえていなかった。

 シャルドは目の前の幼さいながらも聡明な眼つきをする義姉をただの子どもと捉えてはいけない……そう感じた。


「それは、一言では片づけられないね。一つずつ話していこうか」


 ナオはコクリと頷く。


「姉様はまず特別な存在なんだ。これを自覚して欲しい。

 その特別というのも二つある。まず、一つは誕生石だ」


 シャルドは自分の誕生石の埋め込んだ宝剣を取り出す。シャルドの誕生石はサファイアだ。宝石という時点でシャルドは魔法の才覚があり、鉄の因子を持つことで剣の才気もあるのだ。


「ちなみに姉様のは……」


 ナオが木龍から返されたヘッド・サイズと言われる大きさの宝石――アーマジュエルを手に取る。

 いつ見ても見事な物だと、シャルドは感じる。宝石が入れ子になっている事から内なる宝石を守っていることからこの名が付いたと言う。



 


  


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