ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのさん〜 09
“時間差2発は……牽制にもなりませんでした。まさか……受け流されるとは、思いませんでしたが……”
“私の魔法を……見てから、対処されると……厳しいです……”
一瞬、弱気になりかけたジュールだったが……。
“ジュール! しっかりしなさい!”
自らを叱責する。
“いくら理不尽でも、レイブン様は……人間です。弾数を増やせば……必ず、対処出来なくなります”
“まずは……4発ですっ!!”
ジュールは、レイブンを睨みつけた。
「レイブン様! 胸を……お借りしますっ!!」
「かかってこいよ!」
「なんで、あの2人……あそこまで、熱くなってるんです?」
観戦していた、魔術師バルナスが尋ねた。
「戦士の……性じゃな」
隣にいた、ドワーフのガロンが答えた。
「自らの技が、相手に通じるか否か? それを確かめたい……そんな所じゃ」
「ジュールが……」
バルナスは、悲しそうに続けた。
「どんどん脳筋に……なって行く……」
ジュールは、胸の前で手を組んだ。目を閉じる。
心のなかで、大地母神に祈った。
“大地母神様、御力をお貸しください。気合弾の魔法 1発分の御力を……1/4ずつ、4箇所にお貸しください”
《1発分を、1/4ずつ、4箇所ね》
大地母神は、ジュールの願いを確認した。その声の様子には、抑えきれないワクワク感と、ジュールを心配する響きがあった。




