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ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのさん〜 32
この概念は、大発見であり、莫大な利益を生むのだが、バルナスは迷わず隠蔽した。
商売の女神 を信仰するバルナスにとって、こんな片手落ちの概念を公表することなど、ありえない行為だったからである。
バルナスが片手落ちと称する理由は……精密な体温計が存在しないから、である。完全に机上の空論だったのだが……少々、事情がかわったのは、つい先日。
遺跡で……手持ち出来るサイズの、精密な体温計を発見したのだ。(もちろん、これも隠蔽)
「しばらく……ジュールと子供を作らない、子作りが……できる、ね?」
「です……ね」
2人は抱き合い、唇を重ねた。最初は、唇を重ねるだけのキスだったが……。だんだん、舌が絡み合う、深いキスに……。
「痛くしちゃったら……ごめん……」
バルナスが、照れくさそうに笑った。
「私のセリフです……それ……」
ジュールは、自らの指先を見つめていた。爪は、綺麗に整えられていた。
「愛してるよ」
「私も……愛しています」
2人の影が重なった。影は……片時も離れなかったという。




