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ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのさん〜 28
「ジュールちゃん……なんで、強引に振り払わないの?」
リリスがぼそっと呟いた。ジュールは戦士技能を持っている。一般人のバルナスの腕を振り払うのは、造作もないのだ。
「あの娘は、バルナスには甘いでの……」
ガロンが、しみじみと答えた。
“あの娘……。ダメ男製造機じゃの……”
「心配かけた、負い目だろうさ」
ドラナは、小さな溜息をついた。
“惚れた弱みは……辛いねえ……”
「連行されてるなあ……」
レイブンはフラットだった。
“話は途中なんだが……。まあ、いいか……”
「よしよし。リリス、偉いぞー」
気を取り直したレイブンが、リリスを撫で繰り回す。
「腰の入った、良い拳だったな」
「な、なにしてんのっ?! 髪型がっ!! がんばってセットしたのにっ!!」
リリスは、いやがる振りをしていた。
「鍛練……サボってるワリには、良く動けてたぞ」
“隠れて鍛錬してるのは、バレバレだぞ?”
ドラナが参戦してきた。小さなリリスは、灰色熊と猫科の肉食獣に、もみくちゃにされている。
「相変わらず、仲が良いの……」
ガロンはワインをグビリと飲んだ。
“構いすぎて、魂が口から抜けかけておるが……。死にはせんじゃろ”




