ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのさん〜 23
3.反動を、抑え込め。
「心配したんだよっ!!」
魔術師バルナスは、ジュールを固く抱きしめた。
神官ジュールは、しばらく呆然としていた。やがて……おずおずといった様子で、バルナスの背中に腕をまわした。
「ご心配……おかけいたしました……」
「この……おバカっ……」
バルナスの声が、震えていた。
そんな甘々の2人を、戦士レイブンが上から覗き込んだ。
「よしよし! 綺麗に受け身が取れたなー」
「レイブン!!」
バルナスが抗議の声を上げた。レイブンは、完全にスルーした。
「怪我なくて、なによりだ」
レイブンはニッコリ微笑んだ。
「レイブン様……」
ジュールが尋ねた。
「私……なぜ、後ろに飛んだのですか?」
「気合い弾の魔法の、反動だ」
レイブンは、周囲を見回した。
「とりあえず、場所変えるぞ。中庭の中央でする話じゃない……」
面々は、木陰に移動した。
木陰に移動し、ワインで水分補給。(この世界、生水は厳禁である。冗談抜きで命にかかわる)
ジュールがベンチに座らされた。バルナスが強引に座らせたのだ。バルナスは、ジュールの隣に座り……彼女の手を握っていた。
ベンチの前の地面に、レイブンと神官戦士ドラナが座った。性悪猫リリスは、レイブンの太ももの上に乗った。背中をレイブンの方に向け、お腹に手を回してもらっている。
ドワーフのガロンは、立ったままだ。身長の関係である。




