16/40
ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのさん〜 16
「ほら……飛べっ!!」
思いっ切り……飛ばした。
「き、きゃーっ!!!」
ジュールの身体が、宙を舞った。
“顎を引いて!”
ジュールは、反射的に動いた。
“両手は、胸の前で交差!!”
“地面に叩きつけられる瞬間に……”
“手のひらで、地面を、思い切り、叩く!!”
ぱんっ。綺麗に衝撃が殺された。
「レイブン、なにしてんの?!」
ジュールが飛ばされ、抗議の声を上げたバルナスだが……。
「よし! 次は、バルナスだな!」
レイブンに抱え上げられてしまった。
「ちょっ! 僕は……」
バルナスの言葉は、悲鳴に変わった。
「いいんだってえーーーーー!!」
バルナスの身体が、飛ばされた。
“本気で投げるし!!”
“顎引いて、両手は……交差?”
“叩きつけられる瞬間に、地面を……”
ぺいん……。バルナスの両手は、情けない音を立てた。背中をぶつけ、一瞬、息が止まる。
「バルナス、ダメダメだなー」
向こうから、レイブンの呑気な声が聞こえた。
「バルナスは、もう一回だな」
レイブンがバルナスの方向に歩き出した瞬間、小さな影が、レイブンの足元にまとわりついた。




