告白
いやー、少しでも読んでくださる方がいると嬉しいものですね。
\(^_^)/
ありがとうございます。
佐藤流人、高校3年生男子の俺は朝の登校の最中だというのに人を探して学校とは違う方向に駆け出していた。
「まだ近くにいるはず」
俺が探しているのは、残念系美少女にして高校3年生女子で俺の嫁、環珠稀だ。
一緒に登校していた珠稀が同級生の火村崎蓮という男子生徒から呼び出された場所に1人で向かったんだが、まだ別れてからそんなに時間は経っていない。
急げば追いつけるはずだ。
しばらく行くと、近くの公園に2人の姿があった。
珠稀と向かい合っているのが火村崎蓮。
バスケ部のエースというだけあって、身長も俺より5cm以上は高そうで、180cmを越える長身だ。
顔も髪を適度に短く刈り込んであって清潔感があり、キラキラした瞳が仔犬を思わせるような爽やかイケメン。
くっ、何だ、あの勝ち組、陽キャは!?
あまりの火村崎の非日常的イケメンッぷりに思わず繁みに隠れてしまったじゃないか。
あんなのが目の前に登場したら普通の女子なら、みんな惚れるんじゃないのか。
一方の俺はというと、成績は中の上、身長は175cmのやせ型。
これといって特徴のない顔立ちで、とくに人に自慢できる特技も皆無。
友人と言える奴も数人で、あとは最近行動が変態的でヤバい嫁ができたくらいだ。
嫁がいる以外は何から何まで普通メンの俺と火村崎はえらい違いだ。
俺が火村崎のイケメンオーラに気圧されるのも当然と言えるだろう。
珠稀と2人、朝の公園に美男美女で絵になるとか思ってしまった。
「環さん、来てくれてありがとう」
「どういたしまして。それで、火村崎君の大事な話って何?」
「時間もないし、単刀直入に聞くんだけど、環さんは佐藤と付き合ってるの?」
繁みに隠れている俺の手にも自然と力が入る。
おおっと、火村崎の奴、ずいぶんと直球で攻めてきたな。
「ううん、りゅうととは付き合ってないよ」
「本当に!?」
「本当だよ。私たち幼馴染みなんだ」
よし、珠稀の奴、ちゃんと俺との関係を聞かれたときの返しを忘れてなかったな。
あの言葉を教えるだけでもどれだけ時間がかかったことか。
地獄の講義の成果に俺は内心安堵する。
それに本当に俺と珠稀は付き合ってない。
何故なら俺らは夫婦であって、彼氏彼女じゃないから。
だが、そうとは知らない火村崎は喜びの感情が溢れた表情で言葉を続ける。
「じゃあ、オレにもチャンスがあると思ってもいいってことかな?」
むむ、これはどうなんだ?
俺と珠稀は結婚している。
だが、これは教頭や学年主任との約束で一般生徒には内緒の方向ということで話をまとめていた。
まさか、その約束を忘れてバラすようなことはないとは思うが、学年最底辺学力の珠稀なら、全てを忘れて話してしまう可能性がないとも言いきれない。
そんな不安が頭をよぎる。
それに、俺とは違うあんな女子の大好物そうなイケメンに言い寄られて珠稀の心が動くってこともあるかもしれない。
今さら出ていける雰囲気ではないし、珠稀の返答も今後の夫婦生活を考えると気になる。
俺は固唾を飲み込んで珠稀の返事を見守る。
「私が火村崎君と付き合う、か……。その可能性はないかな」
「なんで!?」
珠稀の呆気ない返事に火村崎が驚きの声をあげる。
うわ、珠稀の奴、あのイケメンを秒で振りやがったよ。
「オレの何がダメなのか教えて欲しい」
「えっ、火村崎君、全然ダメなところないよ。みんなの人気者だし、憧れてる子もいっぱいいるし。そんな人がなんで私なんかをって思っちゃったもん」
慌てた様子で珠稀がフォローを入れるが、多分半分も火村崎の耳に入っていないんじゃないだろうか。
火村崎が捨てられた仔犬みたいな顔になっている。
そんなにショックなんだな。
「火村崎君は、どうして私のことをいいなと思ってくれたの?」
「一年の頃、小テストで何度も0点取ってやり直しをさせられても笑顔で受け続けて、しまいには問題を作ることを放棄しそうになっている先生を励ましながらでもテストを受け続けた環さんのひたむきさに惹かれたんだ」
うわ、問題を無限地獄のように作り続けさせられた先生も気の毒だが、そんな普通ならヤバいと感じる奴に魅力を感じてしまった火村崎も大概気の毒だな。
俺は火村崎の人物像を下方修正する。
「それから、オレも環さんのようにひたむきに頑張ろうと思って、バスケ部でそれなりの結果を出すことが出来たんだ。今のオレがあるのは全部環さんのおかげだよ」
「そんなことないよ」
珠稀が否定するが、俺もそう思う。
たとえ、きっかけがそうであったとしても後は全部火村崎の努力と才能が実を結んだ結果のはずだ。
「私は火村崎君の思ってるような奴じゃないよ。成績だって、みんなが驚くようなバカだし」
「オレはそんなの気にしない」
「それにちょっと変かもしれないんだけど、好きな人のことはなんでも知りたくなるし、自分の気持ちもしっかり伝えたいとも思うの」
珠稀は、メッチャ良い感じに言っているが、それらの方法は度重なる住居不法侵入や怪文書弁当等だ。
被害者で当事者の俺が言うんだから間違いない。
「それも好きな相手になら当然のことだと思うよ」
いやいや、火村崎、バカを擁護しちゃダメだ。
珠稀は自分の入った風呂の湯を自分出汁とか言って、味噌汁の出汁にしようとするようなバカだぞ。
さすがにあれは汚物だろ。
直前に入浴剤の風味に気が付かなければ確実に口にしてしまっていた。
バカにも犯罪は犯罪、その他にもやってはいけないことはあるって、ちゃんとわからせないといけないんだからな。
俺が繁みの中でヤキモキしていると、火村崎が何か納得したような表情になった。
「でも、これだけ話してみて、わかったよ。環さんには、もうそれだけ好きな人がいるんだね」
「うん、私のちょっと変わった大好きを全部受け止めてくれる人が実はもういるんだ」
えっ、それって俺のこと!?
ちょっと待て、子作り以外は明確に拒否したこともないが、数々の変態行為を全部受け入れた覚えもないぞ。
繁みに隠れている俺の動揺に、もちろん気付くことはなく、珠稀が最大級の爆弾を落とす。
「それが、私の夫なんだよね」
俺が心の中で「珠稀、やっぱ、お前はバカだろっ!」と叫んだ気持ちが、ちょっとでもどこかの誰かに伝わったなら嬉しい。
読んでくださり、ありがとうございました。
拙い文章なので随時いじくり回してしまいますが、生温かい目で見守ってくれると嬉しいです。
登録してくれた方々ありがとうございます。
m(_ _)m




